...水をすらすらと上るのは割合やさしいようですけれど、流れが煽(あお)って、こう、颯(さっ)とせく、落口の巌角(いわかど)を刎(は)ね越すのは苦艱(くげん)らしい……しばらく見ていると、だんだんにみんな上った、一つ残ったのが、ああもう少し、もう一息という処で滝壺へ返って落ちるんです...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...信用出来ないという印象だけが、彼に残った...
梅崎春生 「幻化」
...ただ残ったのは、バケツに移した血液だけだった...
海野十三 「人体解剖を看るの記」
...後には集ってきた近隣の人々の怒号する声ばかりが残った...
海野十三 「深夜の市長」
...生き残ったやつは...
太宰治 「姥捨」
...生き残った妻子は...
太宰治 「花吹雪」
...あとに残ったのは...
豊島与志雄 「食慾」
...ジャン・ヴァルジャンに残ったものは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...辛(かろ)うじて生き残った官女たちが身を寄せるところに困って...
中里介山 「大菩薩峠」
...潔(いさぎ)よからぬ粘(ねば)り強い香(か)が妄(みだ)りに残った...
夏目漱石 「思い出す事など」
...残った八機の神風偵察機は...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...泳ぎ回れる十分な長さがあって、残った一人が、必要なら引っ張り、戻すんじゃ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...ハアハア言いながら登って遠ざかる)待ってよ金吾さあん!(先に行く金吾と敦子の二人と後に残った香川...
三好十郎 「樹氷」
...平泉の文化が何かの形でここにも残ったと想うのは...
柳宗悦 「陸中雑記」
...いま聞いた名が頭に残ったのでしょう...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...ちらりと唇に残った紅の艶から...
横光利一 「旅愁」
...生き残った者も、割腹(かっぷく)していた...
吉川英治 「剣の四君子」
...君たちもよく生き残ったなあ」と...
吉川英治 「随筆 新平家」
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