...それは分らない事だが――父の書き残したものを繰拡(くりひろ)げて見る機会があるだろうと思う...
有島武郎 「小さき者へ」
...行きがけになぜか残したもので...
泉鏡花 「婦系図」
...日本映画史にふたたび拭うべからざる汚点を残したものとして...
伊丹万作 「映画界手近の問題」
...主人夫婦の食い残したもので食事をしているという有様で...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...きっと問題を荒らした輩の残したものやと...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「三枚の学生」
...過去の明滅する幻が彼の脳裏に残したものは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...また頭の頂辺(てっぺん)へ剃り残したものを『お芥子』と称える...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...さらに広い武蔵野(むさしの)の趣を残したものであろう...
永井荷風 「日和下駄」
...福島市松とかいった人たちの邸をそのまま残したものであろうかと思われるくらいですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのまま残したものが多い...
中谷宇吉郎 「北国の春」
...これなどは或いは原始期の屍体投棄の習俗を残したものとも考えられるのである...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...味(あじわ)い残したものがあります...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...書き残したものでもあったの」柚子は伏眼になって...
久生十蘭 「雲の小径」
...今や同家の末裔(まつえい)がこの若者に残したものはほとんどなく...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...跡に自我ばかりを残したものがあって...
森鴎外 「文芸の主義」
...お祖母さまの書き残したものによると...
山本周五郎 「山彦乙女」
...五体の汗腺にあとの爽快味を残したものかとおもわれる...
吉川英治 「私本太平記」
...面は元来人体から肢体や頭を抜き去ってただ顔面だけを残したものである...
和辻哲郎 「面とペルソナ」
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