...田舎々々した白縮緬の兵児帯とが私の頭に残っていました...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...残るはもう一機だッ...
海野十三 「空襲警報」
...ここへ残していって下さい」正吉は...
海野十三 「三十年後の世界」
...怪しい指紋は残っていない...
海野十三 「獏鸚」
...残されたたった一つの道は...
江戸川乱歩 「影男」
...また燃えている蝋燭から消えた蝋燭を引けば光だけが残る...
丘浅次郎 「我らの哲学」
...虎の門に残っている旧工学寮の煉瓦造...
永井荷風 「日和下駄」
...「どういう訳でこう丈夫なのだろう」健三は殆んど自分の想像の残酷さ加減さえ忘れてしまった...
夏目漱石 「道草」
...古寺(ふるでら)見たような家に老母と小さい姪(めい)とタッタ二人残して出て行くのですから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...附近の残雪にまみれて発見された...
牧逸馬 「双面獣」
...あの主人が凧を追ひかけて行つた時の二つの炎(も)えた眼だけが烙印になつて残つてゐるのだ...
牧野信一 「鱗雲」
...祖父だけが一人残って鑵子(かんす)の火を焚きつけようとしている...
柳田国男 「木綿以前の事」
...なんにも心残りはないし...
山本周五郎 「寒橋」
...「……何か……あの小僧の持物でも……船に……残っているんじゃ……ないでしょうか」船長は片目をつむって...
夢野久作 「難船小僧」
...和泉河内の残兵をかりあつめ...
吉川英治 「私本太平記」
...それが……必死の防ぎで、からくも、鴨嘴灘(おうしたん)から金沙灘(きんさたん)の岸まで、保(も)ちささえてはきましたが、残念なことに、兄弟分の張横(ちょうおう)と阮小(げんしょう)七の二人が、関勝(かんしょう)の手に捕虜とされてしまいました...
吉川英治 「新・水滸伝」
...残務の処理が遅(おく)れて困るという大石殿の仰せだ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...初めて画家の努力が残りなく眼にはいって来るのである...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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