...やはり僕の心の底には幾分か僕の軽蔑してゐた江戸つ児の感情が残つてゐるらしい...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...明かに格闘をした形跡が残っていないではないか...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...その証拠はちやんと栗原の調書や自分の提出した始末書に残つてゐるぞ...
武田麟太郎 「現代詩」
...同じような心の痛みのまだどこかに残っている女は...
徳田秋声 「黴」
...寧ろ残暑に属すべきもので...
豊島与志雄 「秋の気魄」
...懺悔聴聞者を追い払った後もまだ死刑執行者を残しておくのはいまわしいことである...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...その日の残りの時間はなかなか過ぎなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一同が残らず共鳴してしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...バジリカの下の部屋にはアウグストゥス時代のすばらしい壁画が残ってるということだが...
野上豊一郎 「パラティーノ」
...残しておいて下さったもののあるうちは...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...粗面の壁だけが残った...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...ただ夫人たちだけが残っているのであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...誠意がわかっていただけなかったことです」こんな言葉を残したままあちらへ行った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...売り残って半ば不用の本の詰った四つの本箱や...
山本周五郎 「青べか物語」
...残るは濃紅只一人...
夢野久作 「白髪小僧」
...歌人の幽古だけが残った...
吉川英治 「新書太閤記」
...何か凝結した感じが後に残った人達だった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...それらをも一人残らず殺戮させた...
和辻哲郎 「鎖国」
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