...――フランシス上人の後へついて、殊勝らしく、そこいらを見物して歩きながら、悪魔は、私(ひそか)にこんな事を考へて、独り会心の微笑をもらしてゐた...
芥川龍之介 「煙草と悪魔」
...まだまだ私は駄目ですと殊勝らしく言って溜息をついてみせて...
太宰治 「風の便り」
...翌(あく)る日から殊勝らしく江戸の神社仏閣をめぐって拝み...
太宰治 「新釈諸国噺」
...殊勝らしくお経をあげてみても...
太宰治 「新釈諸国噺」
...と殊勝らしく伏眼でいったら...
太宰治 「創作余談」
...いかにも殊勝らしく...
種田山頭火 「行乞記」
...また一方、この日の朝まだき、下諏訪の秋宮(あきのみや)の社前は、まがいものの鹿島の事触(ことぶれ)が、殊勝らしく、「さて弘(ひろ)めまするところは神慮(しんりょ)神事(かみごと)なり、国は坂東(ばんどう)の総社常陸(ひたち)の国、鹿島大神宮の事触れでござる...
中里介山 「大菩薩峠」
...向いてゐるさも殊勝らしく向いてゐるいいえ...
中原中也 「別離」
...と殊勝らしく注告するのであります...
西尾正 「陳情書」
...殊勝らしくお籠りなんかして居ますよ」八五郎はその日の夕刻...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ちよいと待つて下さい」小三郎は殊勝らしく佛樣の前で線香などを上げてをりましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ちょいと待って下さい」小三郎は殊勝らしく仏様の前で線香などを上げて居りましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...妾のお源は殊勝らしく數珠(じゆず)など爪繰(つまぐ)つてをりますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おなじ穴の狢(むじな)友達が出て殊勝らしく応待して...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...南無頓生菩提」殊勝らしく念仏なんか唱えているところへやって来たのが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...殊勝らしく一礼して...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...と今だからこう殊勝らしく書くが...
正岡容 「わが寄席青春録」
...制帽の方が殊勝らしくていいそうであるが...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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