...と殊勝らしく眼を擦り赤めてやおら病院を退出(まかんで)ぬ...
泉鏡花 「活人形」
...などと古風な道学者みたいな事を殊勝らしく考えてみても...
太宰治 「桜桃」
...まだまだ私は駄目ですと殊勝らしく言って溜息をついてみせて...
太宰治 「風の便り」
...殊勝らしく家事の手伝い...
太宰治 「古典風」
...殊勝らしくお経をあげてみても...
太宰治 「新釈諸国噺」
...などと殊勝らしく...
太宰治 「正義と微笑」
...と殊勝らしく伏眼でいったら...
太宰治 「創作余談」
...それはわざと殊勝らしく装ったのか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いかにも殊勝らしく...
種田山頭火 「行乞記」
...また一方、この日の朝まだき、下諏訪の秋宮(あきのみや)の社前は、まがいものの鹿島の事触(ことぶれ)が、殊勝らしく、「さて弘(ひろ)めまするところは神慮(しんりょ)神事(かみごと)なり、国は坂東(ばんどう)の総社常陸(ひたち)の国、鹿島大神宮の事触れでござる...
中里介山 「大菩薩峠」
...向いてゐるさも殊勝らしく向いてゐるいいえ...
中原中也 「別離」
...平次は殊勝らしく部屋の隅っこに小さくなったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殊勝らしく持ちかけて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...妾のお源は殊勝らしく數珠(じゆず)など爪繰(つまぐ)つてをりますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのうちに、香染(こうぞめ)の衣を着た、青白い顔の、人気のあった坊さんが静々と奥院の方から仄(ほのか)にゆらぎだして来て、衆生(しゅじょう)には背中を見せ、本尊菩薩(ぼさつ)に跪座立礼(きざりつれい)三拝して、説経壇の上に登ると、先刻嫁を罵(ののし)り、姑をこきおろした女(ひと)たちが、殊勝らしく、なんまいだなんまいだと数珠(じゅず)を繰っておがむ...
長谷川時雨 「西川小りん」
...殊勝らしく首を垂れているところへ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...南無頓生菩提」殊勝らしく念仏なんか唱えているところへやって来たのが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...と今だからこう殊勝らしく書くが...
正岡容 「わが寄席青春録」
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