...あたりまへの歯朶(しだ)も到る所にある...
芥川龍之介 「日本の女」
...新らしい歯朶(しだ)の葉を被せかけた笊(ざる)がおいてあるのが眼についた...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...仕方なしに歯朶(ネコシダ?)を五六本持つて戻つて活ける...
種田山頭火 「其中日記」
...門松や輪飾はめんどうくさいので、裏の山からネコシダを五六本折つてきて壺にした、これで十分だ、歯朶を活けて、二年生きのびた新年を迎へたのは妙だつた...
種田山頭火 「其中日記」
...裏山から歯朶を五六本折ってきて瓶に挿した...
種田山頭火 「雑記」
...」「歯朶もいゝですよ...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
......
内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...足もとには末枯れた春日歯朶や厚い青苔がふかふかとあつたかい...
橋本多佳子 「椎の実」
...庭には歯朶や芭蕉が繁つて居り...
原民喜 「かげろふ断章」
...鋸歯朶や孔雀歯朶が露を含んで...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...へら歯朶やまんねん草の類ひの隠花植物が絨氈のやうに蔓つてゐた...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...歯朶の群れのなかに咲いてゐた山水仙を祈つて...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...おみなへし、へらしだ、われもかう、烏萩、こうや万年草、いちはつ、狐の行灯、烏瓜、ぶらぶら提灯花、孔雀歯朶、盗棒萩、犬虱、しほん、獅子舞ひ蓮華、猫柳……等々と、一見見渡したゞけで忽ち百種類も数へあげることが出来るのである...
牧野信一 「バラルダ物語」
...歯朶はどうかすると野卑でつかはぬものであるが...
室生犀星 「故郷を辞す」
...歯朶(しだ)の茂みの中に鏡のように光っている水面は...
森鴎外 「阿部一族」
...歯朶(しだ)や杉菜が覗いていた...
森鴎外 「雁」
...いまは寒さがきびしく、涌き水は氷って、つららが垂れているし、歯朶類は枯れて、みじめにちぢれた葉が、川から吹きあげる風に、音もなくふるえていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...歯朶の中から湯の方へ突出している岩影からじっと身をひそめたままこちらを見詰めている信者の頭に気がついた...
横光利一 「馬車」
便利!手書き漢字入力検索