...批判者はこの意味に於てのみ被批判者を止揚するのが事実である...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...予め止揚の現実情に立つから初めて論理的矛盾を発見する動機を得るのである...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...尤も又、被批判者の位置にあると考えられたもの、即ち被止揚者は、その被批判性を自覚しないのを寧ろ通則とするから、批判者に対して逆批判をなし得るように空想するのが常である...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...多衆の圧倒性はただ多衆の非組織化によってのみ止揚された...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...自然科学的実在論的考え方と哲学的批判的考え方とがあるとすればこの対立が学の発達の暁に於て止揚されるという望みは少いであろう...
戸坂潤 「カントと現代の科学」
...矛盾の本質は常にそれが止揚されねばならぬ処に横たわる...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...こうやって矛盾的対立をなした二つのものが止揚されて初めて...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...その絶対性を自分のモメントとして止揚していることが茲に見られないか...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...正数の系列は正数と負数との系列にまで――論理的に――止揚される...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...観念は終局に於ては主客の対立を具体的に止揚して――フィヒテやシェリング(F. W. J. v. Schelling)は主観の対立を抽象し去ったに過ぎなかったが――絶対的となる(絶対的精神)...
戸坂潤 「辞典」
...その対立が止揚されたとか云った...
戸坂潤 「社会時評」
...解決され止揚されるだろうというのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...高橋氏は独特な「止揚」の仕方を知っているのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...後者の文化イデーによる前者の文化イデー(個々の文化現象自身ではない)の止揚の途にしかない...
戸坂潤 「日本文化の特殊性」
...従来の殆んど一切のブルジョア観念論(乃至ブルジョア唯物論)の認識論による真理諸観念を止揚するものだと見ていいだろう...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...避けがたい惡の宿命として觀念しながら大乘的の止揚によつて...
萩原朔太郎 「足利尊氏」
...プロレタリアートは哲學を實現することなくしては自己を止揚し得ない」...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...この矛盾の理解は理論と實踐とを辯證法的に止揚する立場に於て初めて可能である...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
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