...ベンチの上には背むしが一人蟇口の中を検(しら)べている...
芥川龍之介 「浅草公園」
...蟇(ひき)の形をした銅の水差し...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...南瓜畑の夥多(おびただ)しい蝦蟇(がま)と...
泉鏡花 「薄紅梅」
...「また蟇口なくせ...
犬田卯 「錦紗」
...と袂(たもと)から蟇口(がまぐち)を出して逆(さか)さに振って見せて...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...何かあるぞ蟇口(がまぐち)みたいなものが……...
海野十三 「海底都市」
...蝦蟇(がま)仙人のように自分の掌面(てのひら)に載せたかと思うと...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...三月位置いてやつてもいゝのだが……」内藤氏は蝦蟇(がま)仙人のやうな口元に...
薄田泣菫 「茶話」
...今日の日も衰へあほつ日除(ひよけ)かな古庭を魔になかへしそ蟇(ひきがえる)蛍(ほたる)追ふ子ありて人家近きかな寝(ね)し家(いえ)を喜びとべる蛍かな師僧遷化(せんげ)芭蕉(ばしょう)玉巻く御寺かな大正二年七月 第一日曜...
高浜虚子 「五百句」
...腹帯の中からまるで金入れとは思へない位に大きな蟇口をとり出すと...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...蝦蟇をうつ向けた盥の中に...
豊島与志雄 「蝦蟇」
...したがって蟇口はついに長蔵さんにやった事になる...
夏目漱石 「坑夫」
...蟇だ...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...紙幣入りの蟇口など悲惨に河岸つぷちにちらばつてゐるその側らの切石には白墨で「検死ズミ七十九名」とかいてあつたし...
正岡容 「浅草燈籠」
...馬場孤蝶翁もかいてゐられたがほんとに私たちの子供のじぶんの佐竹には石垣があり、石蕗が咲き、蟇がなき、ああしたさびしい景色の家がザラに見られた...
正岡容 「下町歳事記」
...でて来た大きな蟇蛙(がまがへる)へ石をぶつけた...
正岡容 「落語家温泉録」
...だまって蟇(がま)のような姿をして...
吉川英治 「私本太平記」
...一匹の蟇(がま)だった...
吉川英治 「私本太平記」
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