...蟇(ひき)のつぶやくやうな聲で...
芥川龍之介 「羅生門」
...脚(あし)を蟇(ひきがへる)の如(ごと)く踏張(ふんば)つて――上等(じやうとう)のは知(し)らない――屋根(やね)が低(ひく)いから屈(かゞ)み腰(ごし)に眼(まなこ)を据(す)ゑて...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...蝦蟇は先刻(さきがた)まで...
薄田泣菫 「茶話」
...」老婆が蟇の両足を左右の手に別別に持つと女中が前へやつて来た...
田中貢太郎 「蟇の血」
...雪舟庭の暗さから青蟇の呼びかけるのはよかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...そして蟇口(がまぐち)の残りを二十円足して家賃の内金をしてから...
徳田秋声 「のらもの」
...方々から捕えて来られた蝦蟇は...
豊島与志雄 「蝦蟇」
...蟇(がま)の鳴く笛の音の旋律(メロディ)が聞こえていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...蟇口に金さへあれば映畫館に入つたり...
永井荷風 「或夜」
...レデーは私が払っておきますといって黒い皮の蟇口(がまぐち)から一ペネー出して切符売に渡した...
夏目漱石 「倫敦消息」
...蟇だ...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...「蟇口ってやつもおよそしようのないもんだな」――この老人はいつの間にこのベンチに来て...
橋本五郎 「地図にない街」
...研究している姿が蟇(ひきがえる)のように悲しかった...
長谷川時雨 「木魚の配偶」
...紙幣入りの蟇口など悲惨に河岸つぷちにちらばつてゐるその側らの切石には白墨で「検死ズミ七十九名」とかいてあつたし...
正岡容 「浅草燈籠」
...もう誰も財布や蝦蟇口(がまぐち)を邪魔がるには及ばない...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...蟇(ひき)と蚯蚓(みみず)との前(まえ)の生(しょう)の話ともなっているのである...
柳田国男 「母の手毬歌」
...イクラか這入(はい)った蟇口と一緒に懐中(ふところ)に入れた...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...蟇(がま)がなめくじに魔術(まじゅつ)をほどこしたごとく...
吉川英治 「神州天馬侠」
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