...蟇口(がまぐち)を落したことなどを記(しる)せる十数行(ぎょう)あり...
芥川龍之介 「温泉だより」
...生意気だぞ!」圭太は蟇のように身を縮めた...
犬田卯 「橋の上」
...懐疑哲学者の蟇蛙(ひきがへる)がひよつこりと這ひ出してくる...
薄田泣菫 「茶話」
...ちょろけんの蟇口型(がまぐちがた)の丸いオペラバックを提(さ)げ...
徳田秋声 「縮図」
...誰もその大蝦蟇を見た者が居ないことだった...
豊島与志雄 「蝦蟇」
...「そら蝦蟇(かえる)が出来た!」晋作がそっと覗いてみると...
豊島与志雄 「白血球」
...蝦蟇口にはいれきれないほどの金を洋封筒の中に持ってるということが...
豊島与志雄 「未来の天才」
...蝦蟇にしても、人の手に捉えられる時には、くくくくと鳴声を立てるではないか...
豊島与志雄 「夢の図」
...蟇(がま)は常に目を空の方に向ける...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「あの蟇口の中にゃ少しっきゃ入っていないんだね...
夏目漱石 「明暗」
...銀貨入の蟇口(がまぐち)を出して...
夏目漱石 「門」
...「蟇口ってやつもおよそしようのないもんだな」――この老人はいつの間にこのベンチに来て...
橋本五郎 「地図にない街」
...三十日迄日のべの記念品は蟇口と定め...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...蝦蟇口がなくつて看護婦に気を兼ねながら...
牧野信一 「海浜日誌」
...ペタッと蟇蛙(ひきがえる)のように両手を仕えた...
正岡容 「小説 圓朝」
...何しろ不動祠畔の蟇へ石を投付けたその上に...
正岡容 「落語家温泉録」
...「十八銭じゃ足りねえか」しばらくその蟇口を片手で振り動かしていたが...
正岡容 「寄席」
...「おのれっ!」八十三郎の手から、鞘(さや)が後ろへ飛んだのと、蟇が、吃驚(びっくり)して、刎(は)ね起きたのと、一緒だった...
吉川英治 「松のや露八」
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