...平氏に対して止むべからざる怨恨を抱き...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...終に全く失明して口授(くじゅ)代筆せしめて完了した苦辛惨憺を思えば構想文字に多少の倦怠のあるは止むを得なかろう...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...しかしこれには止むを得ない訳があったのです...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...その辺は止むを得ないこととして...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...止むを得ずカラコロ/\党になる...
高浜虚子 「丸の内」
...それも止むと、またあたりは妙に森閑(しいん)と静まり返って再び山の墓場は木の葉の落ちる音一つ聞えるくらいの侘しい澄んだ黄昏(たそがれ)の色に包まれ初(そ)めたが、ちょうどその時に私は墓場の方にサクサクと落葉を踏んで来る例の跫音(あしおと)を聞いた...
橘外男 「逗子物語」
...そうなると止むを得ず間口の広い方の権威者と間口が狭くて奥行ばかり深い権威者か二つに一つよりしかないような場合がないとも限らない...
寺田寅彦 「科学上における権威の価値と弊害」
...その上で疑う事は止むを得ない...
寺田寅彦 「方則について」
...思想の生長にともない止むを得ないことだ...
豊島与志雄 「私の信条」
...それで止むを得ず雜誌の寄稿に勉強しました...
長塚節 「教師」
...夫れでは何か理屈があつて止むを得ずといふ次第か...
樋口一葉 「にごりえ」
...たちまち主客顛倒してしまったがこれも止むを得ない...
久生十蘭 「魔都」
...等といふ夫々止むを得ない病ひに襲はれて中断を余儀なくされたが...
牧野信一 「熱い風」
...「止むなくば――」とさへ思つてゐるのである...
牧野信一 「交遊秘話」
...止む事を得ず其中の長者一名と火伴(ナカマ)兩三輩を延ひて我船に入れ...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...ピタリと止む)私 …………(そっちに気をとられている)若宮 ……(ニヤリとして)昔...
三好十郎 「冒した者」
...鳴き止むとすぐに枝を移って前の位置を変えてしまう...
室生犀星 「螽※[#「虫+斯」、第3水準1-91-65]の記」
...女がこれと反対の流行を作ったのは止むを得ないところであろう...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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