...世の義人に偽善者を裁(さば)く手心をゆるめて貰いたいと歎願するのではない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...ある秋の末にクララが思い切ってその説教を聞きたいと父に歎願した時にも...
有島武郎 「クララの出家」
...またしても歎願運動を起すようなことも出来まい...
犬田卯 「沼畔小話集」
...只管御歎願申上ゲル次第ニ候得バ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...義盛さまからの重ねての御歎願がございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...こっそり血判の歎願書(たんがんしょ)を出したんじゃないか?」などと言って...
太宰治 「正義と微笑」
...眼付で歎願しているのです...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「麻酔剤」
...途で会う一人の寡婦の歎願を押し除けて...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...遂に芸者組合より苦情出で内々その筋へ歎願密告せしかば大正五年四月の頃より時の警視総監西久保某といへる人命令を部下の角袖(かくそで)に伝へてどしどし市中の白首を召捕(めしと)りけり...
永井荷風 「桑中喜語」
...事をわけて歎願してみるのじゃ」「しかし...
中里介山 「大菩薩峠」
...平次の方に燃えるやうな歎願的な瞳を向けましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今(いま)の身(み)の上(うへ)には憎(にく)くし剛慾(がうよく)もの事情(じじやう)あくまで知(し)りぬきながら知(し)らず顏(がほ)の烟草(たばこ)ふか/\身(み)に過(あやま)りあればこそ疊(たゝみ)に額(ひたひ)ほり埋(うづ)めて歎願(たんぐわん)も吹出(ふきい)だす烟(けむり)の輪(わ)と消(け)して...
樋口一葉 「別れ霜」
...歎願する...
ゲオルヒ・ヒルシユフエルド Georg Hirschfeld 森林太郎訳 「防火栓」
...許して下さいといふ私の死身(しにみ)の歎願を無情にも刎付(はねつ)けて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ご分割下されたし」と歎願に及んだのであった...
本庄陸男 「石狩川」
...其(そ)の問題(もんだい)を解决(かいけつ)するやうにと三人(にん)から歎願(たんぐわん)されました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...津軽玄意の名を以て歎願書を呈することにした...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...総代を出して幕府に歎願せしめた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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