...この時節柄、風邪を引いてはいけません...
...暖かいお茶で、この時節柄の寒さをしのぎます...
...この時節柄、クリスマスプレゼントを選ぶのも楽しいですね...
...台風が接近しているこの時節柄、避難所への準備が必要です...
...この時節柄、バレンタインデーのチョコレートを作る人も多いですね...
...されど、もし時節柄、納涼を思はば、瀧の條に注意すべし...
大町桂月 「東京の近郊」
...時節柄この文豪が直ぐお目に懸らうとも言ふまいし...
薄田泣菫 「茶話」
...安重根 (それを耳に傾けながら)日本人に見られないとすると、時節柄、怪しまれるにきまっている――...
林不忘 「安重根」
...何で日曜にせえへんのんやろ」「時節柄...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何病気で死んだんだろう? あの頑丈な男が……眼玉のギョロリとした、色の真っ黒い、慓悍(ひょうかん)そのもののような骨格であったあの男が……「コレラ? ハァ……死にますかなぁ、ハァ」何時(いつ)だったか、私の家へ、獲って来たばかりの鯰(なまず)や、鮒(ふな)などを売りに来た時心配屋の私の母が、時節柄、チブスやコレラの流行を怖(おそ)れて買わなかったら、兵さんは、怪訝(けげん)そうに、「私(わっ)しゃ、よんべも食いましたがナァ」兵さんは、不思議そうに、片手に提(さ)げている魚籃(びく)を、ランプの灯(あか)りの方へ寄せて、一方の手で、ひきかき廻したのだった...
徳永直 「あまり者」
...時節柄司法権が干犯されないためには当を得たものであるが...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...軍部対政党の対立の社会的意味を認識することは、時節柄大事だが、この対立を理論上過信することは、今日の政界情勢をして、いろいろ不可解な相貌を帯びさせて了うことになるのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...「こりゃア、ちと荒っぽい、まともに鉄砲を向けられちゃたまりません、いくら金助がお粗末だからといって、これでも男のはしくれ、罰(ばち)があたりますよ」「福兄さんに、そ言って下さい、たべていただかなくってもようござんすよ、大切に漬けておいて、梅干にしますから困りませんって」「梅干はかわいそうですね」「かわいそうなことがあるものか、第一梅干にしておけば、土用を越したってなんともないし、それに実用向きで……」「あやまる、あやまる」金助はしきりに頭を下げて、「若い娘が梅干気取りでおさまっていりゃあ、世話はないや」「世話はありませんとも、梅干一つありゃほかにおかずなんか何も要りません」「あれだ、手がつけられねえ」金助はまたも額(ひたい)を丁(ちょう)と打って、「冗談はさて置き、いったい、親方という人は、今時分ドコをドウうろついてあるいてるんだろう、人の気も知らないで……」「今晩は帰らないかも知れませんよ」「え、帰らない? おだやかでありませんな、ここへ帰らなけりゃどこへ泊るんです」「どこだか知りません」「いい年をして、そう浮(うわ)ついてあるいては困りますって、金助が腹を立ってたって、帰ったらキットそういって下さい……第一、こんな若い娘をひとり留守居に置いて家をあけるなんて、時節柄、物騒千万」金助が減らず口を叩いて容易に帰ろうともしないから、お梅が迷惑がりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...返事のないことがいよいよ許せないのは、内と外とは全く違ったもので、内の奴は返事のないほどこちらが下手(したで)に痛み入るほかはないが、この外の奴の返事のないのは――これは全くようしゃがならない、時節柄ではあり、現に先日の夜も、こういう奴があってこの屋敷を騒がし、宿直の宇津木と黒崎とに腕をさすらせたものである...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんなに驚くがものはない時節柄ではありますけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...いちいち実物によって……時節柄だから代用品で間に合わせるとして...
中里介山 「大菩薩峠」
...時節柄物騒というので...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...時節柄先生にも御健康のほど祈ります...
野呂栄太郎 「平野義太郎宛書簡」
...それでも人々は時節柄この事件を仰々しく論じた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...自分のものが時節柄欲しくなったのであろう...
宮本百合子 「くちなし」
...時節柄、「天気晴朗なれど」であろうと思われる...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...(大詰はこちらに案あり)時節柄大河内で西郷さんか...
山中貞雄 「陣中日誌(遺稿)」
...玄関での立ち話ではあったが、時節柄、諸物価の噂などしているうちに、お互に楽になったね...
山之口貘 「楽になったという話」
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