...この時節柄、風邪を引いてはいけません...
...暖かいお茶で、この時節柄の寒さをしのぎます...
...この時節柄、クリスマスプレゼントを選ぶのも楽しいですね...
...台風が接近しているこの時節柄、避難所への準備が必要です...
...この時節柄、バレンタインデーのチョコレートを作る人も多いですね...
...されど、もし時節柄、納涼を思はば、瀧の條に注意すべし...
大町桂月 「東京の近郊」
...所謂減刑運動に対して警告を発しているのは時節柄注目に値する...
戸坂潤 「社会時評」
...時節柄珍しいと云う他ない...
戸坂潤 「戦争ジャーナリスト論」
...(後略)大菩薩峠新聞掲載史時節柄...
中里介山 「生前身後の事」
...先生、なかなかお人が悪い、時節柄ですから、ずいぶん驚いてしまいましたよ、どうかお手柔らかにお願い致したいものでございます」「別段、貴様をおどかしてみるつもりもなかったのだが、張っておいた網に貴様の方からひっかかったようなものだから、ふしょうしろ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「こりゃア、ちと荒っぽい、まともに鉄砲を向けられちゃたまりません、いくら金助がお粗末だからといって、これでも男のはしくれ、罰(ばち)があたりますよ」「福兄さんに、そ言って下さい、たべていただかなくってもようござんすよ、大切に漬けておいて、梅干にしますから困りませんって」「梅干はかわいそうですね」「かわいそうなことがあるものか、第一梅干にしておけば、土用を越したってなんともないし、それに実用向きで……」「あやまる、あやまる」金助はしきりに頭を下げて、「若い娘が梅干気取りでおさまっていりゃあ、世話はないや」「世話はありませんとも、梅干一つありゃほかにおかずなんか何も要りません」「あれだ、手がつけられねえ」金助はまたも額(ひたい)を丁(ちょう)と打って、「冗談はさて置き、いったい、親方という人は、今時分ドコをドウうろついてあるいてるんだろう、人の気も知らないで……」「今晩は帰らないかも知れませんよ」「え、帰らない? おだやかでありませんな、ここへ帰らなけりゃどこへ泊るんです」「どこだか知りません」「いい年をして、そう浮(うわ)ついてあるいては困りますって、金助が腹を立ってたって、帰ったらキットそういって下さい……第一、こんな若い娘をひとり留守居に置いて家をあけるなんて、時節柄、物騒千万」金助が減らず口を叩いて容易に帰ろうともしないから、お梅が迷惑がりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...二人の結論では、宇治山田の米友が、草津の辻で、ああいった運命に落されているのは、要するに時節柄、農民おどしのための案山子として使用せられているのだということの推想と断案とに、あえて異議がないもののようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...いちいち実物によって……時節柄だから代用品で間に合わせるとして...
中里介山 「大菩薩峠」
...時節柄(じせつがら)一面の薄(すすき)が蔽(おお)い被(かぶ)さっているのです...
夏目漱石 「行人」
...けれども時節柄(じせつがら)なんでしょう...
夏目漱石 「行人」
...時節柄物騒というので...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この場所柄と時節柄とを弁別して規則あらしむるはすなわち心事の明らかなるものなり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...時節柄がエラかったのである...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...十三日にはフランス船行きとなってゐたので、たのしみにしてたら、時節柄、外人船へは日本人行くべからずとなった由、がっかり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ハネると、ダッシー八田氏京都より出張、大阪中いゝとこが無いからとて、何と天六の八田氏の親類の家、磯辺セメント店の奥座敷へ、北から芸妓をよんでの饗宴、時節柄の大珍景...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...時節柄だなアという感想を沁々と面に浮べていろんなひとたちが見て通った...
宮本百合子 「新しい美をつくる心」
...自分のものが時節柄欲しくなったのであろう...
宮本百合子 「くちなし」
...これは誠に怪(け)しからぬ事で、今の人には到底考えられない、同時にあまり知られていない大きな事実で、同時に時節柄、御同様まことに不愉快な史実ででもあり得るのであるが、しかしこの史実を認識しないで明治維新の歴史を読んでいると飛んでもない錯覚に陥る事がある...
夢野久作 「近世快人伝」
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