...この時節柄、風邪を引いてはいけません...
...暖かいお茶で、この時節柄の寒さをしのぎます...
...この時節柄、クリスマスプレゼントを選ぶのも楽しいですね...
...台風が接近しているこの時節柄、避難所への準備が必要です...
...この時節柄、バレンタインデーのチョコレートを作る人も多いですね...
...「いや、それは時節柄、省略するだろうと思うけど、いまに薄茶が出るでしょう...
太宰治 「不審庵」
...何で日曜にせえへんのんやろ」「時節柄...
谷崎潤一郎 「細雪」
...雪子も、時節柄と云い、乗合客の眼を惹(ひ)くような身なりをするのは厭(いや)だったので、衣裳(いしょう)は別に鞄(かばん)に詰めて持って行きたかったのであるが、何分にも打ち合せがよく出来ていないので、ひょっとすると、向うへ着くともうその人が待っていると云うようなことがあるかも知れない、旁(かたがた)支度をして行った方がよいであろうと云うことになって、これはひとしお着附に念が入っていた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...時節柄見好いように継ぎを当てたり...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...時節柄已むを得なかつたであらう...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...この点、時節柄、注目に値いするのだが、それがとりも直さず、科学的精神の提唱と直接関係している...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...貞夫はまだ充分に病気がなおってもいないし、物騒な時節柄だ...
豊島与志雄 「早春」
...返事のないことがいよいよ許せないのは、内と外とは全く違ったもので、内の奴は返事のないほどこちらが下手(したで)に痛み入るほかはないが、この外の奴の返事のないのは――これは全くようしゃがならない、時節柄ではあり、現に先日の夜も、こういう奴があってこの屋敷を騒がし、宿直の宇津木と黒崎とに腕をさすらせたものである...
中里介山 「大菩薩峠」
...モンペとしてはステーブルファイバーでは地方色の趣味が没却される点もあるが然し時節柄の意味に於て国産ステーブルファイバーを以て試製させて見た...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...けれども時節柄(じせつがら)なんでしょう...
夏目漱石 「行人」
...したがって、たいへんご内福で、それに、このたび、鹿児島の英吉利(えげれす)騒動につらなって藩の武器買入れのため、御用金をたんとお預りになっていらっしゃるので、ついこの裏のお金蔵には、黄金(こがね)が夜鳴きしているそうでございます」「ほほう、時節柄、それは物騒な話...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...時節柄、外国人の顔はあまり見えず、三階の南側のバルコンのついた部屋に母娘(おやこ)のフランス人がひと組だけ滞在している...
久生十蘭 「キャラコさん」
...是(こ)れも時節柄(がら)で我慢して黙(だまっ)て居るより外(ほか)に仕方(しかた)がないとして居ながら...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...三十余年前の時節柄とは云え...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...誠に穏(おだや)かならぬ御時節柄(ごじせつがら)で心配の事だ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...時節柄、いきな計らいでもあった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...玄関での立ち話ではあったが、時節柄、諸物価の噂などしているうちに、お互に楽になったね...
山之口貘 「楽になったという話」
...これは誠に怪(け)しからぬ事で、今の人には到底考えられない、同時にあまり知られていない大きな事実で、同時に時節柄、御同様まことに不愉快な史実ででもあり得るのであるが、しかしこの史実を認識しないで明治維新の歴史を読んでいると飛んでもない錯覚に陥る事がある...
夢野久作 「近世快人伝」
便利!手書き漢字入力検索