...僕も亦日本の文芸に――殊に現世の文芸にかう云ふ力の欠けてゐることを必しも否(いな)むものではない...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...欠けた瀬戸物類が一面に散らばっていた...
有島武郎 「星座」
...「隣り近所の義理欠けっちう肚なのかよ...
犬田卯 「おびとき」
...今はまた同志も歯の欠けるように減って...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...軍事上の知識に欠けている陸軍士官たち...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...因果をつなぐかぎの輪はただ一つ欠けても縁が切れる...
寺田寅彦 「路傍の草」
...安楽さがまったく欠けてること...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...義理人情が欠けるという愛国心で...
中里介山 「大菩薩峠」
...訓練の欠けた代物(しろもの)ではあるけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...ふちの欠けた摺鉢(すりばち)のなかへ粕をぶちまける...
中村地平 「南方郵信」
...直接の人間的な話しかけが自分に欠けていることが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...欠けこんで、すこし淀みになった川岸の枯蘆の中にしゃがんで、釣糸をたれている三十三四の武士くずれ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...しかもその雌雄両殖器の状態は完全にして敢て欠けし所なし...
牧野富太郎 「植物記」
...しかるにいわゆる主観には内面的存在性が欠けている...
三木清 「哲学入門」
...しかしカントの道徳法の概念には歴史性が欠けている...
三木清 「哲学入門」
...自由を欠けば何ものも美しくはならぬ...
柳宗悦 「改めて民藝について」
...その切尖の欠けた刀を持ち直さぬうちに...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...眉が半分欠けているのが...
吉川英治 「大岡越前」
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