...じぶんのからだの一部分が欠けていることに気がつき...
海野十三 「金属人間」
...陰謀の智略に於いては欠けてゐるところがおありの御様子で...
太宰治 「右大臣実朝」
...あの男の容貌に知的なものが欠けていると云うこと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しかもそろそろ五十の声を聞こうとする私の現在に欠けているありきたりの家庭的環境のなかに見ている...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...一つ欠けたものがある...
寺田寅彦 「石油ランプ」
...ただ惜しいことには至芸にのみ望み得られる強い衝動が欠けていた...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...其処へ都合よく東京市長が欠けて居つて...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...ジャン・ミシェルのような強い肉体的活力が欠けていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...断わりもしないでひそかに最初の招待に欠けたが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは少し凄味が欠けて...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうしたことをしでかすまでに至る彼ら一人一人の身許(みもと)調べの欠けているのが...
中島敦 「李陵」
...僕は曾呂崎(そろさき)に一度でいいから電車へ乗らしてやりたかった」と主人は喰い欠けた羊羹の歯痕(はあと)を撫然(ぶぜん)として眺める...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...この医学生は老人の動作の中に行動の意識と普通呼ばれているものの統合性が欠けているのを観察することが出来た...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...いかにも欠けている...
宮本百合子 「「愛怨峡」における映画的表現の問題」
...ふちの欠けた火桶(ひおけ)に...
山本周五郎 「柳橋物語」
...かんじんな雲霧が欠けているといって...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...弟にはこの兄が、決断に欠け、どこか臆していて、依然“ぶらり駒”の大将に見えてならないのかもしれぬ...
吉川英治 「私本太平記」
...たとい根に対する注意が欠けていないにしても...
和辻哲郎 「樹の根」
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