...発音いちじるしく明瞭を欠き...
太宰治 「花吹雪」
...(第四)石を打ち欠きて作れる鏃形(やじりがた)の者...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...(第五)石を打ち欠きて作れる錐形(きりがた)の者...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...今日最も科学的精神を欠きがちであるのは...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...何んとしても進退の自在を欠きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...前歯まで一本欠きました」「――」「親分...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...言葉づかいも粗雑で宮廷礼式の感覚を欠き...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...そして彼は、思慮を欠き、判断を失つて、寝てゐるわけにも行かなくなると部屋の隅にある祭壇の下に膝まづいて、いつまでもひれ伏した...
牧野信一 「村のストア派」
...意匠において「杜若」「時雨」の如き趣味を欠きたり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...迷信の生ずるのは正見を欠き...
三木清 「親鸞」
...神功(じんぐう)皇后征韓の船中秣(まぐさ)に事欠き...
南方熊楠 「十二支考」
...我々は自然の単純を説く良い先生たちに事欠きはしないであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...義理が欠きとうないため...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...スフィンクスから欠き落とされた表現は...
夢野久作 「鼻の表現」
...とかく事欠きがちなので...
吉川英治 「新書太閤記」
...――ただならぬ御苦戦の折、しばしなりと、勤めを欠き、何かと御用も怠っておりましたが、向後(こうご)はお心安く思し召しくださりますように」いつものように静かな沈重な物腰である...
吉川英治 「新書太閤記」
...すでに信玄という支柱を欠き...
吉川英治 「新書太閤記」
...そちたちも、気ぼねが折れたことだろう」「桑名(くわな)を通るにも、長島へ入るにも、細心を要しましたが、しかし、長島城内へ足を入れると、これは成功するなと、何やら、予感がいたしました」「ふうむ、そのような士気が見えたか」「かねて、大坂表からお手をまわして、長島の家中や、城下の間にまで、いろいろお手をつくしておかれた御工作が、あきらかに功を奏(そう)しているものらしく……城下に来ておる徳川方の部隊と、北畠家の武者たちとは、互いに、冷たい眼で、行動を監視し合い、城中の士は同じ城内にありながら、何となく、一致を欠き、異論をいだきあい、とんと、ぬる湯にはいっている感じでした」秀吉は、さもあろう、とうなずいた...
吉川英治 「新書太閤記」
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