...白墨(チヨオク)を食ひ欠きに行くのですと云ふのだ...
芥川龍之介 「山鴫」
...硯友社に比べては清新の思想と敏活の元気を欠き...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...自然大阪本社との意志の疎通を欠き...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...さすがにその後お読みになる文籍にも事欠き御不自由御退屈の思ひをなさつて居られたらしく...
太宰治 「右大臣実朝」
...家の者たちを笑わせるのには事を欠きませんでした...
太宰治 「人間失格」
...(第四)石を打ち欠きて作れる鏃形(やじりがた)の者...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...あらゆる義理を欠き...
寺田寅彦 「変った話」
...為すべき仕事に事欠きはしない...
豊島与志雄 「過渡人」
...だから意図を貫徹する熱意を欠き...
豊島与志雄 「新時代の「童話」」
...お義理を欠こうとも欠きますまいとも...
中里介山 「大菩薩峠」
...力の均斉が安泰を欠き...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...意志奔逸症を欠き...
久生十蘭 「ハムレット」
...子孫を欠きし人間は...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...惜むらくはその頭部を欠き居り候ことかへすがへすも残念の儀と存ぜられ候はずや...
牧野信一 「手紙」
...彼女たちの選択はいつも公正を欠き気まぐれです...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...我々は自然の単純を説く良い先生たちに事欠きはしないであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...すでに信玄という支柱を欠き...
吉川英治 「新書太閤記」
...そちたちも、気ぼねが折れたことだろう」「桑名(くわな)を通るにも、長島へ入るにも、細心を要しましたが、しかし、長島城内へ足を入れると、これは成功するなと、何やら、予感がいたしました」「ふうむ、そのような士気が見えたか」「かねて、大坂表からお手をまわして、長島の家中や、城下の間にまで、いろいろお手をつくしておかれた御工作が、あきらかに功を奏(そう)しているものらしく……城下に来ておる徳川方の部隊と、北畠家の武者たちとは、互いに、冷たい眼で、行動を監視し合い、城中の士は同じ城内にありながら、何となく、一致を欠き、異論をいだきあい、とんと、ぬる湯にはいっている感じでした」秀吉は、さもあろう、とうなずいた...
吉川英治 「新書太閤記」
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