...硯友社に比べては清新の思想と敏活の元気を欠き...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...今ぢや四百五十円を一文欠きましても……」「四百五十円……真実(ほんと)ですか...
薄田泣菫 「茶話」
...九重山という山は白く欠き取ったようになっていた...
高浜虚子 「別府温泉」
...さすがにその後お読みになる文籍にも事欠き御不自由御退屈の思ひをなさつて居られたらしく...
太宰治 「右大臣実朝」
...家の者たちを笑わせるのには事を欠きませんでした...
太宰治 「人間失格」
...(第五)石を打ち欠きて作れる錐形(きりがた)の者...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...正確なる時代的考証を全く欠き...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...お義理を欠こうとも欠きますまいとも...
中里介山 「大菩薩峠」
...従って叙事妥当を欠き...
夏目漱石 「幻影の盾」
...商品さえもその輸出入の自由を欠き...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...言葉づかいも粗雑で宮廷礼式の感覚を欠き...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...こんな本の十冊やそこいらの話の種にことは欠きませんのぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...そして彼は、思慮を欠き、判断を失つて、寝てゐるわけにも行かなくなると部屋の隅にある祭壇の下に膝まづいて、いつまでもひれ伏した...
牧野信一 「村のストア派」
...また著しく美観を欠き...
柳田国男 「海上の道」
...可愛い妻子に美味いものも喰わせず、楽しみもさせずに、恥は掻き放し、義理も欠き捨て、人情も踏付け通しで、そのたんびに首を縮めて盗賊(ぬすびと)と、詐欺と、非人の気持を繰返し繰返し、アチラで一文コッチで三文とクスネ込み溜め込むようになります...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...お迎えの礼を欠きました...
吉川英治 「新書太閤記」
...良い馬に事を欠き...
吉川英治 「源頼朝」
...仏壇を一家に欠き難いものとする伝統の始まりである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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