...枕の上の煤けた櫺子(れんじ)が...
石川啄木 「天鵞絨」
...と櫺子の外にコツコツと格子を叩く音がする...
石川啄木 「天鵞絨」
...其音は風鈴賣が櫺子窓の外を通る時ともちがつて...
心猿 「荷風翁の發句」
...おくみは櫺子(れんじ)の戸を開けてきちんと昼の着物の帯をしめた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...櫺子(れんじ)から来るそよ/\した風が...
鈴木三重吉 「桑の実」
...その突きあたりの家の櫺子(れんじ)窓からふわふわと入ってしまった...
田中貢太郎 「遁げて往く人魂」
...無双窓の櫺子(れんじ)の外はまだうす明るく...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...枕頭の煤けた櫺子窓からほの白い夜明けの光りが射込むのを見ながら...
豊島与志雄 「少年の死」
...その間から狭い路地を隔てて向側(むかいがわ)の家の同じような二階の櫺子窓(れんじまど)が見える...
永井荷風 「夏の町」
...彼は暗い櫺子のうちで転(ころ)げ廻った...
夏目漱石 「道草」
...唐櫺子(とうれんじ)の朱の色だけが妙に鮮(あざやか)で...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...彼は竹の櫺子(れんじ)のあいだから...
吉川英治 「新書太閤記」
...腹匍(はらば)いのまま櫺子(れんじ)へ顔を乗せたものだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...自分の家の櫺子窓(れんじ)へ突っこむと...
吉川英治 「松のや露八」
...必ずあの建物の古びた朱の色と無数の櫺子(れんじ)との記憶表象が...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...古び黒ずんだ菱角(りょうかく)の櫺子は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...実をいうと櫺子はただ付属物に過ぎぬのです...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...櫺子窓のはげた灰色によって特に活(い)かされて来るように見えるのです...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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