...この櫓に使った杉の丸太は...
海野十三 「雷」
...火の見櫓(やぐら)みたいな小室(こべや)がある...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...其頃はまだ隻手(かたて)で櫓柄(ろづか)あげおろす五十男で...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...火の見櫓(やぐら)で鐘と板木(はんぎ)とあえ交(ま)ぜに叩き出した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...千両幟(のぼり)の櫓太鼓の曲弾を子供ながら面白く感じた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...それでも猪や鹿が出沒して作物を荒すので櫓(やぐら)を掛けて猪を打たといふ時代もある...
長塚節 「菠薐草」
...ところがこの櫓は馬賊の来襲に備えるために...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...のぼらう!」みんなは先を争つて火の見櫓のはしごになつてゐる鉄の棒に手をかけた...
新美南吉 「登つていつた少年」
...東西南北に物見櫓(ものみやぐら)をあげ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...櫓(ろ)を押した...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...その櫓に対しての意識の集中を断念して...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...神社の森、学校の屋根、火の見櫓、役場、銀行、城跡――私はそれらの眺めを、ぼんやりと見渡して、「おゝ、あれは遊廓だ!」「あれは刑務所だ!」「新町の吾家は何の辺か!」などゝ、伴れの者にでも囁くかのやうに呟いた...
牧野信一 「熱い風」
...渦巻く波忽然と舟の横腹を打ちて動揺するにまづ肝潰れてあなやと見れば舟は全く横ざまに向き直り船頭親子は舟の両端にありて櫓をあやつる...
正岡子規 「かけはしの記」
...たちまち櫓の上から巨木岩石が雨の如く落ちてきたので...
吉川英治 「三国志」
...――そして呂布来れりと聞くとそこの高櫓(たかやぐら)へ登った陳登が...
吉川英治 「三国志」
...城中へ通せ」櫓(やぐら)にいあわせた左右の者にいいつけた...
吉川英治 「新書太閤記」
...ほかに宗治の郎党難波七郎次郎(なんばしちろじろう)が櫓(ろ)を把(と)って控え...
吉川英治 「新書太閤記」
...安治川屋敷へと櫓韻(ろいん)をそろえた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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