...キィーキィーと櫓(ろ)の音がする...
伊藤左千夫 「河口湖」
...落着いて掛けるのだよ」櫓(やぐら)の上(うえ)に...
海野十三 「空襲葬送曲」
...ゆき交う船があるらしく櫓声がきこえ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...高く櫓の上まで飛び上ろうとして...
中里介山 「大菩薩峠」
...退くときは壁の上櫓の上より...
夏目漱石 「幻影の盾」
...もと十世紀の僧城を改築したもので、南はムューズの河岸に城壁を築き、他の三方には濠を繞らし、高い櫓を立て、日本の封建時代の城を思わせるものがある...
野上豊一郎 「ヴェルダン」
...櫓の床や手摺(てすり)を止めてある...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...角櫓は火の見と素姓はわかつたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...葺屋(ふきや)町側に三座の櫓(やぐら)があり...
長谷川時雨 「テンコツさん一家」
...北風が吹き出した夕方オラウスと十艘の櫓船は海峡を下った...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「剣のうた」
...見下ろされたる櫓下」お蔦 (三味線と唄をプッツリ止める)……天下を俺一人で背負っていると言った顔だ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...あの時に櫓柄へヘバリ付いていた肉の一片(ひときれ)をウッカリ洗い落してしまったが...
夢野久作 「爆弾太平記」
...柵(さく)、櫓(やぐら)、幕、陣小屋...
吉川英治 「私本太平記」
...――ここの岸より何気なく一見しただけでは、まだ二重(じゅう)堤(どて)、縄取内(なわどりうち)の土盛り、それと石垣が半ばぐらいしか出来上っておらぬように見えるが、あれは、敵の計(はかり)と申すもの」「ふム」「おそらく、背後(うしろ)の山地のふところ辺りでは、すでに城郭の巨材は、大工の手で組むばかりに仕上げられ、櫓(やぐら)、塀まわりはいうに及ばず、濠橋(ほりばし)から内部の建具一切も、あらかた出来ているものと、この治郎左は睨んでおるが」「ふふム……なるほど」「今のうちならまだ、敵は昼の工事のため夜は疲れ、兵備らしい布陣も怠たり、足手まといな人夫職人どもも雑居していることゆえ、上流下流正面の三方より、闇夜(あんや)をついて、総押しに河を渡って夜討ちをかければ、禍根(かこん)も抜くこともできようが、油断しておると近いうちに、夜が明けてみたら対岸洲股(すのまた)に、一夜のうちに忽然(こつぜん)と、牢固(ろうこ)たる一城がいつのまにか聳(そび)えていたというような――不覚をとらんものでもありませぬぞ」「いかにも」「ご承知か」「あはははは...
吉川英治 「新書太閤記」
...腕ッ限りグングンと櫓(ろ)を撓(たわ)める...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...櫓(ろ)をつかんでいる周馬の首へピューッ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...芝居小屋の櫓(やぐら)と幟(のぼり)が見えた...
吉川英治 「松のや露八」
...「――どの辺へ?」櫓(ろ)の手を弛(ゆる)めながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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