...棹に砕けてちらめく火影櫓行く跡に白く引く波...
饗庭篁村 「良夜」
...船の姿が見えないのに櫓の音が聞えたり...
豊島与志雄 「月明」
...高く櫓の上まで飛び上ろうとして...
中里介山 「大菩薩峠」
...一艘(いっそう)の小舟が櫓を押して通り過ぐるのを認めました...
中里介山 「大菩薩峠」
...櫓拍子もまた荒くなるのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして中央の須弥壇と壁画との間の狭い隙間に櫓を組んで...
中谷宇吉郎 「壁画摸写」
...そして手から櫓をはなした...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...炬燵櫓(こたつやぐら)を引つぱり出して...
林芙美子 「浮雲」
...二人は、櫓と、舟板と洋傘とをしっかり握りしめて、人足に助け上げられた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...手がしびれるようであったが、なにかから脱出するように、金五郎は、切迫した思いで、腕のかぎり、櫓を押していた...
火野葦平 「花と龍」
...天守櫓の脇に此祠ありて其の神に事ふる社僧あり...
南方熊楠 「人柱の話」
...老若男女の夥(おびただ)しい人数がこの櫓を見あげ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...富士見番所のお櫓(やぐら)の灯だけが宙にボッとにじんでいます...
吉川英治 「江戸三国志」
...疾(と)く疾く失(う)せよ」姿を櫓の上からかくすと...
吉川英治 「三国志」
...櫓(やぐら)の下辺りに...
吉川英治 「新書太閤記」
...間もなく櫓(やぐら)の下あたりから再び火焔(かえん)が立った...
吉川英治 「新書太閤記」
...炬燵櫓(こたつやぐら)をかさねて踏み台にし...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...櫓の上にはまだ持って行かっしゃるまい...
吉川英治 「日本名婦伝」
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