...其處(そこ)ばかり樹立(こだち)の房(ふつさ)りと黒髮(くろかみ)を亂(みだ)せる如(ごと)き...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...名も知れない樹が邪魔に成つて...
泉鏡花 「印度更紗」
...樹には声ある文章を書きたいとかせいでいる...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...きみたちが艶樹(えんじゅ)と艶獣(えんじゅう)を観賞しているあいだに...
江戸川乱歩 「影男」
...樹の間を漏れる青い光を魔法にかからせて居ります...
江南文三 「佐渡が島から」
...窓近くを覆い茂った新樹は顔が染るばかりで...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...烏草樹(さしぶ)の樹...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...イヴの食つた樹の実にある以上...
薄田泣菫 「茶話」
...鶯(うぐいす)や洞然(どうぜん)として昼霞(ひるがすみ)大正十五年二(三?)月芽ぐむなる大樹の幹に耳を寄せ大正十五年三月十六日 発行所例会...
高浜虚子 「五百句」
...一粒(ひとつぶ)の芥種(からしだね)、樹(き)になるか、樹になるか...
太宰治 「正義と微笑」
...漸く私達は新しく建てたらしい深樹の中の灯の美しく見える二階屋へと案内された...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
...殊に小石川植物園に在る樹からの図である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...このアソカすなわち無憂花はカイトラ月の十三日(九月二十七日)ウラパジにおいて仏を礼拝するヒンヅー人にとって真に神聖なる樹である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...または高い樹の頂上にとまって四方を見るのだが...
柳田国男 「雪国の春」
...谷間の樹の根に溜り込んだ栗の実...
横光利一 「夜の靴」
...それにもう石も樹も...
横光利一 「夜の靴」
...ために、下向きの枝がふえ、樹の姿が、傘のように見える...
吉川英治 「梅ちらほら」
...あの樹林のうちが...
吉川英治 「三国志」
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