...樅の森、牧場の草地、大きな九輪草、白壁に聖書の中のエピソードを画いた農家、皮の半ズボンを刺繍したズボンつりでつった男、緑と赤と白のこまかい模様の衣服を身につけた健康そうなチロル娘――山の向うはオーストリアだといっていたが、あの国境線も現在では無くなって了った...
石川欣一 「山を思う」
...3.幹の眞直ぐな樅の樹が岸壁一面に生えのびてゐた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...そら白樺、そら樅(もみ)...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...その見上げるような樅が四方八方から白い毛だらけの猿臂を私めがけて伸ばしていると...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...それが樅(もみ)の枝々につるしたいろいろの飾りものに映ってきらめいている...
寺田寅彦 「詩と官能」
...其樅繁る枝のあひ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...樅(もみ)の小森になっているんです...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「黄色な顔」
...樅(もみ)の大きな森のまん中に出た...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...樅の棒は見るうちに火がついてぽつぽと燃える...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...背景の樅(タンネ)が緑林に對して一層赤赤と際立つて見えるが...
野上豐一郎 「キフホイザー」
...鋳金の鉄門から赤針樅(あかはりもみ)の並木道がつづき...
久生十蘭 「あなたも私も」
...大きな下枝をすこし垂れ氣味にさへ擴げてゐる古い樅の上方で...
堀辰雄 「生者と死者」
...あの髪の毛のゆらめくような樅の木立の間(あいだ)を抜けて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...甲斐と自分はあの樅ノ木を見た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...樅の樹間を透かして...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...樅の林がとぎれて少し明るくなるが...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...樅の樹の白く立枯れした林の中を行く...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
......
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索