...「あの樅の木のところまで行こう」こう自分で自分に云いながら...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...快晴の樅の森を登って行くと...
石川欣一 「山を思う」
...樅の森、牧場の草地、大きな九輪草、白壁に聖書の中のエピソードを画いた農家、皮の半ズボンを刺繍したズボンつりでつった男、緑と赤と白のこまかい模様の衣服を身につけた健康そうなチロル娘――山の向うはオーストリアだといっていたが、あの国境線も現在では無くなって了った...
石川欣一 「山を思う」
...その梢(こずえ)を鋭く尖らされたので樅(もみ)のようになっていた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...しんせつに教へられた道の落葉・つめたい雨のうつくしい草をまたぐ大木に腰かけて旅の空立札の下手くそな文字は「節倹」山茶花散つて貧しい生活坊さん二人下りたゞけの山の駅の昼(追加)大金持の大樅の木が威張つてゐる・空の爆音尿してゐる(太刀洗附近)・たゝへた水のさみしうないまた逢つた薬くさいあんたで(追加)・降るもよからう雨がふる夕空低う飛んで戻た(マヽ)(飛行機)暮れてもまだ鳴きつゞける鵙だ今夜は酔ふた...
種田山頭火 「行乞記」
...但し樅の外の樹木にも同様の事があるかどうかは...
寺田寅彦 「話の種」
...小さな樅(もみ)の林...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...四発目に裏山の樅(もみ)の枝にたかっていた鴉(からす)に覘いを定めて切って放つと見事に失敗(しくじ)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...凝然(ぢつ)とした靜(しづ)かな月(つき)が幾(いく)らか首(くび)を傾(かたむ)けたと思(おも)つたら樅(もみ)の梢(こずゑ)の間(あひだ)から少(すこ)し覗(のぞ)いて...
長塚節 「土」
...それから卓(しよく)の供物(くもつ)を恰好(かつかう)よくして居(ゐ)る間(ま)に總代等(そうだいら)は箕(み)へ入(い)れて行(い)つた注連繩(しめなは)を樅(もみ)の木(き)から樅(もみ)の木(き)へ引(ひ)つ張(ぱ)つて末社(まつしや)の飾(かざり)をした...
長塚節 「土」
...樅の林の大きい所作に...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...背景の樅(タンネ)が緑林に對して一層赤赤と際立つて見えるが...
野上豐一郎 「キフホイザー」
...オオト・コムブの鬱蒼(うっそう)たる樅(もみ)の林は...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...掃き淨められた砂床の部屋、數列の並べられた白蝋製の皿が赤々と燃える泥炭の火を映(うつ)して、赤色に輝やいてゐる胡桃(くるみ)材の料理臺、時計、白い樅製の卓子、それから數脚の椅子が見えた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...數本の大きな樅の木を背負つた...
堀辰雄 「巣立ち」
...谷間の樅や杉の森にこだました...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...裏の樅(もみ)の林でしきりに蝉(せみ)が鳴いていて...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...樅ノ木がぼうとにじんで...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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