...微風に動いている樅(もみ)の梢(こずえ)には...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...これは樅(もみ)か杉の枝を結んで...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...がたがたする樅板との間には...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...葉張りの美事な一株の樅の大木を仰ぎながら笑つた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...赤い樅の枝を網で包み込み...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...毎年(まいねん)極(きま)つた踊(をどり)の場所(ばしよ)は村(むら)の社(やしろ)の大(おほ)きな樅(もみ)の木陰(こかげ)である...
長塚節 「土」
...周圍(しうゐ)の眼(まなこ)と首肯(うなづ)き合(あ)うて赤(あか)い舌(した)をべろべろと吐(は)きつゝゆらめいたおつぎの姿(すがた)が五六人(にん)立(た)つた中(なか)に見(み)えなく成(な)つた時(とき)勘次(かんじ)は商人(あきんど)の筵(むしろ)を立(た)つてすつと樅(もみ)の木(き)の側(そば)へ行(い)つた...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)も其處(そこ)に在(あ)つたのであるが然(しか)し彼(かれ)はずつと後(うしろ)の樅(もみ)の木陰(こかげ)にぽつさりとして居(ゐ)たのであつた...
長塚節 「土」
...彼はいつしか左にそれて樅の木の下へ来て居たのであつた...
平出修 「夜烏」
...観音様の樅の木を知らないものがあるものか...
平出修 「夜烏」
...その樅の中からギャッと鋭い鳥の啼(な)き声(ごえ)がした...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...小屋(コッテエヂ)のすぐ傍らの大きな樅(もみ)の木から...
堀辰雄 「巣立ち」
...巓(いただき)にだけ残って方々の樅(もみ)の木立が緑の色を現して...
森鴎外 「木精」
...「宇乃、この樅はね、親やきょうだいからはなされて、ひとりだけ此処へ移されてきたのだ、ひとりだけでね、わかるか」宇乃は「はい」と頷いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...甲斐の樅は枝を張ったまま...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...樅ノ木の植込にかかるところだった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...樅栂などの常緑樹の林には...
吉江喬松 「山岳美觀」
...樅、栂、などすべて針葉樹の巨大なものがはてしなく並び立つて茂つてゐるのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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