...わたしはイギリスのクリスマスの催しごとについて概括的な観察をしたので...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「駅馬車」
...概括的に云えば、私よりも彼の方が何層倍か人間が正直にできており、従ってその記すところにも虚偽が少いことは認めざるを得ないけれども、そう云っても彼の言葉にも、全くがないというわけでもない...
谷崎潤一郎 「鍵」
...一方ではまた浅薄な概括的論述を羅列(られつ)した通俗科学的読み物がはなはだしく読者をあやまるという場合もしばしばあるであろう...
寺田寅彦 「自由画稿」
...津田君の絵は今非常な速度で変化し発育しつつあるのだから概括的に論ずるが困難であるのみならず...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...概括的に云って小市民層又はブルジョア階級の子弟であり...
戸坂潤 「技術の哲学」
...概念を概括的観念の略称ででもあるように思っている常識は今は問題にならぬ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...以上、私は概括的に、我が国大衆文芸の発達史、及びそれに加うるにその各々の種類を説明し終えた...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...概括的にこの單純にして把握し易き理論を發表したが...
長岡半太郎 「原子核探求の思い出」
...いくら哲学的でも、概括的でも、自分の生活に親しみのない以上は、この概括をあえてすると同時にハテおかしいぞ変だなと勘づかなければなりません...
夏目漱石 「中味と形式」
...したがって文学全体に渉(わた)っての御話をするときには今少し概括的(がいかつてき)に出て来なければならぬ訳です...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...それと同じく遠慮と遂行(すいこう)の程度は概括的に定めることはほとんど不可能である...
新渡戸稲造 「自警録」
...概括的に一般に恋愛と結婚について述べたかの一文の中に...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...この文句を讀んで「何というブルジョア的な口吻だろう!」と概括的な第一矢を投げつけ...
平林初之輔 「中西氏に答う」
...私の観察は抽象的な概括的な方向をとっていた...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...今仮(か)りに概括的美の標準と名づく...
正岡子規 「俳諧大要」
...『第五の命題は前四者の概括的演繹であり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...字はごく概括的の話をすると多い村には一箇村に百ぐらい...
柳田國男 「地名の研究」
...一三私はきわめて概括的な...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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