...木戸傍(わき)で待った俥の楫棒(かじぼう)を自分で上げて右左へ振りながら駆込んで来たのである...
泉鏡花 「薄紅梅」
...黒の大構(おおがまえ)の門に楫(かじ)が下りた...
泉鏡花 「婦系図」
...九十の老齢で今なお病を養いつつ女の頭領として仰がれる矢島楫子刀自(やじまかじことじ)を初め今は疾(とっ)くに鬼籍に入った木村鐙子(とうこ)夫人や中島湘烟(なかじましょうえん)夫人は皆当時に崛起(くっき)した...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...舟楫の便少なからず...
大町桂月 「金華山」
...私は宮崎湖處子、金子馬治、野々村戒三等の早稲田派は申すまでもないが、矢島楫子女史、大関和子、三谷民子女史とも相識り、また基督(キリスト)教界の元老押川方義、植村正久、内村鑑三、松村介石、本田庸一、小崎弘道、服部綾雄等の諸先生にも教えを受ける機会を得た...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...「いさゝ小舟に棹さして漕行く末も程遠き君が船路の楫まくら...
土井晩翠 「天地有情」
...今は誰れにも知られている矢島楫子(かじこ)刀自であったので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...山内の樹木と五重塔(ごじゅうのとう)の聳(そび)ゆる麓を巡って舟楫(しゅうしゅう)の便を与うるのみか...
永井荷風 「日和下駄」
...あだし波間の楫枕(かじまくら)――行方定めぬ船の旅もしてみたい」兵馬は...
中里介山 「大菩薩峠」
...して楫(かじ)を執(と)るとき...
新渡戸稲造 「自警録」
...おぼろにみえる沖の方から船人はふしぎな航海の歌をうたつて 拍子も高く楫の音がきこえてくる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...船頭は心得て楫をやすめて舟を水の流れに任せた...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...楫取の藤介や水夫頭の庄兵衛までが同意し...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...つづいて十六日に楫取の藤介が死んだ...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...焼印を押した淦水桶や楫柄(かじづか)...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...矢島楫子(かぢこ)女史が主宰のこの會では...
吉川英治 「折々の記」
...水夫(かこ)楫取(かんどり)をつかまえて...
吉川英治 「私本太平記」
...楫主(かんどり)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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