...フト楫(かじ)を持ったまま仰いで留(とま)る...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...楫(かぢ)の枕のよき友よ心閑(のど)けき飛鳥(ひてう)かな...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...水の面(おも)の月影なして波の上(うへ)の楫の音(と)なしてわが胸に吐息(といき)ちらばふ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...矯風会から潮田のほかに、会頭の矢島楫子、朽木男爵夫人、それに島田三郎夫人と毎日新聞の婦人記者松本英子を加えて五人、正造自身が案内に立った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それほどのことでもねえがな――』船頭は楫をギイと動して置いて...
田山録弥 「船路」
...楫取多き船に乘り...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...五湖の烟波の蘭の楫眺めは廣し風清しきのふの非とは誰れかいふ松菊(しようきく)庭にあるゝとも浮世の酒もよからずや...
土井晩翠 「天地有情」
...「日本は小なれども楫(かじ)のごとし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...康有爲の廣藝舟雙楫も...
内藤湖南 「北派の書論」
...側は漂渺(ひょうびょう)たる隅田の川水青うして白帆に風を孕(はら)み波に眠れる都鳥の艪楫(ろしゅう)に夢を破られて飛び立つ羽音(はおと)も物たるげなり...
永井荷風 「向嶋」
...淀川は舟楫の便あり...
長岡半太郎 「大阪といふところ」
...反(かえ)って反対の方角へと楫(かじ)をとった...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...福松も、半兵衛も、お楫も、飯炊も、みんな一つ繩で縊れて死のう...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...つづいて十六日に楫取の藤介が死んだ...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...焼印を押した淦水桶や楫柄(かじづか)...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...楫取魚彦(かとりなひこ)は『万葉』を模したる歌を多く詠みいでたれど...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...一九二〇年(大正九年)矯風会の矢島楫子さんが九十歳の高齢で...
三浦環 「お蝶夫人」
...京からは琵琶湖(びわこ)の舟楫(しゅうしゅう)と陸路の便とを兼ね備えた上に...
横光利一 「比叡」
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