...楫(かぢ)無きの舟は行(や)る勿(なか)れ...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...支那人は楫棒(かじぼう)を握ったまま...
芥川龍之介 「アグニの神」
...楫棒(かじぼう)に手をかけて休んでいた...
芥川龍之介 「年末の一日」
...フト楫(かじ)を持ったまま仰いで留(とま)る...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...帆も楫(かじ)も無い丸木舟が一艘(そう)するすると岸に近寄り...
太宰治 「竹青」
...それは帆も楫も用いないで飄然とひとりで往く舟であった...
田中貢太郎 「竹青」
...之に因て土砂流出河身壅塞舟楫往來の便亦自ら缺け...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...河底埋塞に因れる舟楫往來の減失...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...楫(かぢ)をギイと鳴らして...
田山花袋 「朝」
...東洋の大船を揺(うご)かすはすなわちこの楫ならざるべからず」と...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...松陰の友人にして維新の遺老(いろう)たる楫取(かとり)男爵...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...何とか楫(かじ)を取れねえのか――」先方は小舟だけに操縦が容易である...
中里介山 「大菩薩峠」
...お楫……だれもいねえのか」伊豆田浦岬(たうらざき)の地かたから二十五六里...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...名古屋納屋町小島屋庄右衛門の身内に半田村の重吉という楫取(かじとり)がいた...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...潮の流れに乗っているように思うが」甚八という楫取(かじとり)が左太夫のそばに立ってそういった...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...上を通る一列の雁(かり)の声が楫(かじ)の音によく似ていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...矢島楫子(かぢこ)女史が主宰のこの會では...
吉川英治 「折々の記」
...太守を初め水夫楫主(かこかんどり)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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