...「この楓(かへで)は此処になかつらと思ふがなあ...
芥川龍之介 「庭」
...窓の外の楓(かえで)があんなになったのを見ると心細いというのだ...
有島武郎 「小さき者へ」
...欄干(らんかん)の前でぱつと両手を拡(ひろ)げたやうな楓(かへで)の古木がある...
薄田泣菫 「茸の香」
...……若楓のうつくしさ...
種田山頭火 「其中日記」
...かなり急な小径を登ると、杉の大樹を主にして、桂、柏、槙、欅、椋、檜、楓、伽羅、山梨、漆、樫等の木立に囲われて、妻の生家はあった...
外村繁 「澪標」
...柿の若葉は楓(かえで)にも優(まさ)って今が丁度新緑の最も軟(やわら)かな色を示した時である...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...頭上の岩壁や楓の木末から...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...窓硝子越しに楓の青葉が暗く美しく戦いてゐた...
原民喜 「氷花」
...薬師山霧に化(かは)りて我が岸の板屋楓が薬師に化る昭和九年七月赤城山上大沼でひどい霧に会はれたその時の歌...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...楓は台湾に多く生じまた中国にも産するが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...木によって違うだろうが楓なら...
宮本百合子 「九州の東海岸」
...漱石と青楓...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...(楓軒雑記...
柳田國男 「日本の伝説」
...体(てい)よく楓(かえで)の間(ま)へ引退がりました...
吉川英治 「江戸三国志」
...満山楓(かえで)の木ばかりで埋ずまっている紅葉山(もみじやま)の裾まで来ました...
吉川英治 「江戸三国志」
...更に楓林(かえでばやし)の奥に破風の見える深い玄関へはいって行った...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...その楓の新芽が、日々に少しずつ色を変えて葉をのばして行き、やがてほぼ同じ色調の薄緑の葉を展開し終わるのは、大体四月の末五月の初めであったが、その時の美しさはちょっと言い現わし難い...
和辻哲郎 「京の四季」
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