...櫨(はじ)楓(かえで)なんどの色々に染めなしたる木立(こだち)の中(うち)に...
巌谷小波 「こがね丸」
...欄干(らんかん)の前でぱつと両手を拡(ひろ)げたやうな楓(かへで)の古木がある...
薄田泣菫 「茸の香」
...それからさらに一層容易にそれをうるためには数本の砂糖楓を植えつけさえすればよく...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...当時の楓湖氏は今日の帝室技芸員の松本楓湖先生のことで...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...塩もいいか」「よろしゅうございます」「そうか」定七は庭の隅の楓の下へ往った...
田中貢太郎 「春心」
...今に楓(かえで)の葉は食い尽くされるだろうと思ったのは...
寺田寅彦 「簔虫と蜘蛛」
...ある日その楓を横に見る客室で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...楓(かえで)桜松竹などおもしろく植え散らし...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...頓(やが)て楓(もみじ)のような手に水を掬(すく)ってはこぼし掬ってはこぼして...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...又は低く突出た楓の枝先などに残つて居る...
永井荷風 「花より雨に」
...「来年はあの松の横の所へ楓(かえで)を一本植えようと思うんだ...
夏目漱石 「明暗」
...私と青楓君は浴衣に着替へて湖水を眺めたり雲に蔽はれた富士を見たりしてゐたが...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...庭には楓(かえで)の樹が紅(あか)らんでいて...
原民喜 「誕生日」
...楓の一枚の葉裏に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...癩そのものに対する加療といへば目下のところ大楓子油の注射だけで...
北條民雄 「癩院記録」
...赤いつつじが咲いて楓の葉が青々とした下へ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...松や楓(もみじ)などの庭木にくるまれているため...
吉川英治 「江戸三国志」
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