...橡(とち)も三角楓(たうかへで)も極めて少ない...
芥川龍之介 「都会で」
...「若楓」の句は、夏の初めに楓が芽をふいて、そのはじめは茶色であるが、それも一盛りであるというのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...夫人と彼とは楓母子(おやこ)を文の使いとして...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...白壁土蔵に楓の一もと...
種田山頭火 「其中日記」
...皇太后樣から御下賜の楓を植ゑつけてある『御惠の森』から拜見する...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...楓の若葉がほんのりと見えていた...
豊島与志雄 「子を奪う」
...いわんやかかる処に西洋風の楓(かえで)の如きを植うるにおいてをや...
永井荷風 「日和下駄」
...酒楼川口屋を開いて後天保七年に隅田堤に楓樹を植えて秋もなお春日桜花の時節の如くに遊客を誘おうと試みた...
永井荷風 「向嶋」
...ここでは無雑作(むぞうさ)にその楓の木へ...
中里介山 「大菩薩峠」
...格堂君が日光山の觀楓をして一時に數十首を日本紙上に飾つた時...
長塚節 「記憶のまゝ」
...津田青楓さんと喫茶店で休んでいると...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...その縁側に是公(ぜこう)から貰った楓(かえで)の盆栽(ぼんさい)と...
夏目漱石 「思い出す事など」
...自分は右の手を楓(かえで)のように開いて...
夏目漱石 「夢十夜」
...青楓君が一番にそれに乘つて...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...その黒焦の楓の幹からふと青い芽が吹き出したのは昨年のことだつた...
原民喜 「火の踵」
...この楓は日本には産しないから...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...柿右衛門の手法と芸術境を正に此の楓は知つてゐる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...「…………」尊氏が黙って人なき楓林(ふうりん)の中へ歩いてゆくと...
吉川英治 「私本太平記」
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