...斜陽あかあかと目前の楓(かえで)の林を照らして...
太宰治 「竹青」
...そこには梨や栗や淡色の楓などが蔭を作っている...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...それでも飽き足らずに今度は垣の反対側の楓樹(かえでのき)までも触手をのばしてわたりを付けた...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...此頃は楓(かえで)の下の彼食卓も嘸(さぞ)淋(さび)しいことでしょう...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...此処の楓(もみじ)は高尾よりも染(そ)めて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...銀座街上青楓画伯に逢ふ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...家にもらってある掛軸を小宮さんとか津田青楓さんとかいう方々が見られて...
中谷宇吉郎 「字の書き方」
...青楓君が數年前寫生に來て泊つてたことがあるといふので...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...楓林(ふうりん)仕立ての盆栽の邪魔な枝を一つチョンと剪(き)りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...刄物で楓の柱を削(けづ)つて掘り出したんだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すぐ窓の外の楓の繁みに横わっているのではないかとおもわれた...
原民喜 「夢と人生」
...」「まあ、なんて静かに水が揺れてること! まるで子供の揺籠(ゆりかご)みたいだわ!」さう言ひながらハンナは、暗い楓の茂みと、傷ましげな枝々を水に浸して哀哭してゐるやうな柳の木立にとりかこまれた、陰気な池の面(おも)を指さした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...大楓子油の注射である...
北條民雄 「癩院記録」
...大楓子をやらん奴はみな早く重つて行くよ...
北條民雄 「癩院記録」
...「では……どうぞよろしく」玄関へ廻ると犬小屋の傍にいた楓が...
「ヴァリエテ」
...開け放たれた廊下のすぐ近くに手をのばした楓の青いちいさな葉に...
山川方夫 「演技の果て」
...中でも楓が一番美しかつた...
若山牧水 「木枯紀行」
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