...)――椰子の花や竹の中に仏陀はとうに眠つてゐる...
芥川龍之介 「河童」
...地平線を遮つてそよりともせずに立つてゐる椰子の木を見つめたり...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...亭々(ていてい)と聳(そび)えた椰子(やし)の間を右往左往(うおうざおう)に逃げ惑(まど)った...
芥川龍之介 「桃太郎」
...椰子もあるし、マングローブ(榕樹(ようじゅ))も見える...
海野十三 「恐竜島」
...丸味(まるみ)をおびた椰子の実であった...
海野十三 「恐竜島」
...椰子の実からくちびるをはなしはしなかった...
海野十三 「恐竜島」
...参詣者(さんけいしゃ)はその背中に突き出た瘤(こぶ)のようなものの上で椰子(やし)の殻(から)を割って...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...たとえば妙な紅炎が変にとがった太陽の縁に突出しているところなどは「離れ小島の椰子(やし)の木」とでも言いたかった...
寺田寅彦 「断水の日」
...椰子の林の木の間につづきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...力ある悪神・椰子蟹と蚯蚓とが哀れな男の祈願を聞入れたのかどうか...
中島敦 「南島譚」
...椰子(やし)の葉や...
中島敦 「光と風と夢」
...椰子(やし)の木影のベンチに...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...運轉手が椰子煙草を吸つて臭い煙を吐かないならば...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...三日もおれば直(す)ぐ黒ん坊になる程暑い南洋の島々には椰子蟹(やしがに)がおります...
宮原晃一郎 「椰子蟹」
...けれども椰子蟹はそんな下へ行く用事はありません...
宮原晃一郎 「椰子蟹」
...どうかして太古に漂着して日向の海岸のその小島ばかり今も南洋の椰子棕梠を茂らせているところを見に行って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...風の吹いた翌朝など椰子の実や藻玉を拾ったことがある...
柳田国男 「故郷七十年」
...椰子(やし)が成長して実を結ぶまでには七八年を要し...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
便利!手書き漢字入力検索