...植え込みの向うを玄関の方へ歩いて行くのがちらと見えた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...がらになく投げとばされて置きざりにでもされたようなかつこうになつた……その間に一同は悠々と庭へ出て石畳の道をマルベリの植え込みのほうへ進んだ...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...琴学生時代には本郷へんの屋敷町を歩いているとあちらこちらの垣根の中や植え込みの奥から琴の音がもれ聞こえて...
寺田寅彦 「柿の種」
...H温泉旅館の前庭の丸い芝生(しばふ)の植え込みをめぐって電燈入りの地口行燈(じぐちあんどん)がともり...
寺田寅彦 「沓掛より」
...この絵で見ると築山の植え込みではつつじだけ昔のがそのまま残っているらしい...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...左千夫(さちお)氏が連作の趣味を形容して「植え込み的趣味」と言っているのはなかなかおもしろいと思われる...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...それでもしいて鉄門と植え込みとの間に腕を差し伸ばせば...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...五目形の植え込みの角(かど)に池が隠れるまで...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...植え込みから植込みを昆虫のように這(は)って縫いながら...
牧逸馬 「チャアリイは何処にいる」
...庭の植え込みなどもよくできていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ちょうど霜枯れ時の庭の植え込みが描(か)いた絵のようによくて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...植え込みの中にはあらゆる秋の虫が集まって鳴いているのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...秋の雨が静かに降って植え込みの草の花の濡(ぬ)れ乱れた庭をながめて女院のことがまた悲しく思い出された源氏は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...植え込みの灌木(かんぼく)類の押しつけられた形だけが哀れに見え...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...植え込みの草などもすでに青く伸びて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...植え込みの灌木(かんぼく)や草の花が乱れほうだいになった中を行く水の音がかすかに涼しい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...枯れ枯れになった庭の植え込みの中の薄(すすき)が何草よりも高く手を出して招いている形が美しく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...二十何本かの松を植え込み...
室生犀星 「生涯の垣根」
便利!手書き漢字入力検索