...私共銃後の国民はなるべく梅干を戦地へ送るようにしなくてはなりません」とか...
石川欣一 「山を思う」
...梅野十伍は、普段そんな定義にあまりこだわらない方であるが、この際は原稿大難航の折柄のこととて、一方の血路を切り開いて兎(と)も角(かく)も乗り切ることが第一義であった...
海野十三 「軍用鼠」
...恰(ちやう)ど梅雨(つゆ)時分の事で...
薄田泣菫 「茶話」
...好い塩梅に日影はさう強く当らなかつた...
田山録弥 「ある日の印旛沼」
...この人は砂川の村から青梅(おうめ)の町まで約四里の道を毎日毎日降っても照っても荷車にカマスを積んで往復する...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...梅子も黙(だま)つて葡萄酒の壜を取り上(あ)げた...
夏目漱石 「それから」
...色沢(いろつや)が悪(わる)いのよ」と梅子は眼(め)を寄(よ)せて代助の顔(かほ)を覗(のぞ)き込(こ)んだ...
夏目漱石 「それから」
...愈(いよいよ)汽車の出る間際(まぎわ)に、梅子はわざと、窓際に近寄って、とくに令嬢の名を呼んで、「近い内に又是非いらっしゃい」と云った...
夏目漱石 「それから」
...梅はお嫌ひかな」「へえ?」錢形平次も驚きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...君帰らぬこの家一夜に寺とせよ紅梅どもは根こじて放(はふ)れ随分思ひ切つた歌である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...梅田地下のみどりで食事...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それは「丸梅」の源次郎が指定した家で...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...◇梅津利彦氏が十七八歳頃の事であったろうか...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...春日の小庭の梅がしきりと話しかけてくるのである...
吉川英治 「紅梅の客」
...なぜ黙っておるか」穴山梅雪の部下の河原弥太郎という者が...
吉川英治 「新書太閤記」
...梅雨雲や名古屋は五分間停車健吉さん...
吉川英治 「随筆 新平家」
...どこか梅の薫(かお)りがしていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...きさらぎは梅咲くころは年ごとにわれのこころのさびしかる月梅の花が白くつめたく一輪二輪と枯れた樣な枝のさきに見えそむる...
若山牧水 「樹木とその葉」
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