...現に内裡(だいり)の梅見の宴からの御帰りに...
芥川龍之介 「邪宗門」
...こゝは梅桜(ばいあう)の蕾未(いま)だ我瞳よりも小さく候へど...
石川啄木 「渋民村より」
...静寂(しじま)の鐘の唄の塩梅(あんばい)...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...梅花月光の契りを再びする事になったのはおとよの今宵(こよい)だ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...三羽雀わたしの裏の梅の木に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...私の家は海近い砂地に建つてゐるせゐか、蟹が沢山ゐて、梅雨季になると、壁を伝ひ、柱にすがつて畳の上にまで這ひあがつて来ることがよくあります...
薄田淳介 「若葉の雨」
...何某(なにがし)の院のあととや花菖蒲溝(みぞ)またぎ飛び越えもして梅落とす時過ぎて尚(なお)梅落とす音すなり六月二十一日 物芽会...
高浜虚子 「六百句」
...たしかお梅どんに手紙盗まれたこと分った日イに...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...梅雨(つゆ)は漸く晴れて...
夏目漱石 「それから」
...妹のお梅は、提灯の灯から遠く、ぼろをつくねたように踞(しゃが)んだまま泣き濡れております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...黄色い梅の花のやうな感じの顔であつた...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...梅の特性はこんな土地を好む者と見て差支えは無かろう...
牧野富太郎 「植物記」
...くれなゐの花ぞあやなく疎(うと)まるる梅の立枝(たちえ)はなつかしけれどそんなことをだれが予期しようぞと源氏は歎息(たんそく)した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...梅竜は仁斎学派より明霞の折衷学派に入り...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...梅に無理を言って迷惑させるような事はない...
森鴎外 「雁」
...朝から梅雨のような細かい雨が降っていて...
山本周五郎 「落ち梅記」
...吾妻橋(あづまばし)をぬけ小梅を右にみて...
山本周五郎 「新潮記」
...四条の梅林庵へ内蔵助を訪ねた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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