...そちこち梅雨入模樣で...
泉鏡花 「遺稿」
...傘を貸して呉れたる印半纏の男に導かれて行くに、梅また梅、家あれば必ず梅ありて、その盡くる所を知らず...
大町桂月 「越ヶ谷の半日」
...娘さんがうたふ、梅をもいでゐる、その梅の実を一升買ふ...
種田山頭火 「行乞記」
...馬琴物(ばきんもの)から雪中梅型(せっちゅうばいがた)のガラクタ小説に耽溺(たんでき)して居た余に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...襟白粉(えりおしろい)に唐縮緬(とうちりめん)の半襟(はんえり)の汚れた塩梅(あんばい)...
永井荷風 「桑中喜語」
...教科書の間に隠した『梅暦(うめごよみ)』や小三(こさん)金五郎(きんごろう)の叙景文をば目(ま)の当(あた)りに見る川筋の実景に対照させて喜んだ事も度々であった...
永井荷風 「夏の町」
...そんでもちつた鹽梅(あんべえ)よくなつたやうだが...
長塚節 「土」
...皆んな帰って貰いますよ」「すると夜分はお鶴さん一人だね」「え」「ちょうどいい塩梅(あんべえ)だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...疑ひは無いでせう」「それは宜い鹽梅(あんばい)で」金兵衞も兩掌(りやうて)を揉んで悦に入つて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五月八日(木曜)雨梅田コマ劇場初日...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...と構えているという塩梅です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
......
三好達治 「故郷の花」
...かけたソースは梅でございますよ...
村井弦斎 「食道楽」
...梅雨を中に挾んで...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...梅原龍三郎も余り感心しない...
山本周五郎 「青べか日記」
...一夜北風寒し万里雲(とううん)厚く長空雪は乱れ飄(ひるがえ)る改め尽す山川の旧(ふる)きを白髪の老衰翁(ろうすいおう)盛んに皇天の祐(たすけ)を感ず驢(ろ)に乗って小橋を過ぎ独り梅花の痩せを嘆ず玄徳は...
吉川英治 「三国志」
...約束のとおり、彼は、梅の杖をもって、淀の三十石船へ乗った...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...紅梅(こうばい)を繞(めぐ)って一又十郎がうんと云わないので...
吉川英治 「柳生月影抄」
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