...巨大な桃尻(ももしり)がモクモクと揺れ...
江戸川乱歩 「影男」
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長塚節 「長塚節歌集 中」
...八五郎は桃尻(もゝぢり)になつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...桃尻(ももじり)になってうそうそと胴ノ間にしゃがんでいて...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...縁側にすえた七輪を桃尻(ももじり)になってあおいでいるのを...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...いったい、どこが不服なんだ」賢夫人も、立ち疲れたとみえて、桃尻になって、しゃがみこみながら、「むかしの、古邸の態(さま)しか浮ばなかったので、たしかに、昨夜は、そう申しましたが、今日、見て歩いているうちに、気持が変ったんです……いずれ、千々子を嫁(かた)づけなくてはならないのですが、あんなバラックから嫁にやって、終生、みじめな思いをさせるより、こんな家(うち)から出してやられたら、千々子にしたって、嬉しくないことはないでしょう……虚栄だとおっしゃるかもしれませんが、嫁にやる娘を持つ母の心は、たいていこうしたものなんです……あなたが無理を押してくだすったので、資産再評価のほうも、未決定のまま、先へのばせるわけですから、庭木のほうで、うんと補償金をとってくだされば、女中ぐらいおいても、やって行けると思うのですが、いかがでしょう」三石田氏は、計算尺と鉛筆を使ってコツコツやらなければ気のすまないほうで、問題を細かく分けて、いくつも小さな答をだすが、賢夫人のほうは、ゆっくりと時間をかけて、頭のなかに数表やグラフを貯めこみ、かれこれと睨みあわせ、充分に練りあげたうえ、大局から判断して、おもむろに、まちがいのない答をだす...
久生十蘭 「我が家の楽園」
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