...栃の木の良材はあるにはあるが...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...直径(さしわたし)七尺有余もある栃の木といえば...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...この土地では栃の木は切り倒して焚(た)いております...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...何んでもこの附近一帯の山には栃の木は非常に沢山あります...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...この近在に栃の木の多いのも道理(もっとも)のことであります...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...栃の木は貰い手があればただでもくれたい位なものになっているのですから...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...今度は降りるのに大変……少し降りかけた処に一本の栃の木が天を摩(ま)して生(は)えている...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...それは実に立派な栃の木で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...栃の木は檜や桜などと違って...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私や竹内先生などが栃の木を使ったので...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...三本栃の木を買ってあったはずでありますが...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...栃の木特有のチリチリした特徴があって...
高村光太郎 「回想録」
...谷中の家の庭にその材木を置き小屋掛けをしてやり始めたのだけれど、栃の木は固く、非常に逆目の多い木なので、普通の鑿(のみ)ではやれないので、正次さんという正宗系統の非常にうまい刀鍛冶(かじ)に頼んで、いろいろな特別な鑿を拵えて仕事をしたことを覚えている...
高村光太郎 「回想録」
...お蚕の時に使う栃の木で刳抜(くりぬ)いた盆にのせると非常によくはまって...
高村光太郎 「回想録」
...それでも、お姉様、あなたがお気が進まないならば、わたしもいやです」「気が進まないというわけではありません、いっそ、気はハズミ過ぎているくらいですから、すすめてもみたのですが、場所が場所だけに、二の足も踏むのです」「白骨の湯もいいでしょうけれど、わたしは正直にいえば、お姉様と、肥後の熊本へ行きたいのです」「熊本へですか」「ええ」「だって、熊本には、お前の病気を療治するようなところは、ないじゃありませんか」「でも、わたしは、尾張の国の名古屋城下で死ぬよりは、肥後の熊本で死にたいのです」「いいえ、お前はまだ、死ぬということを言ってはなりません、それを思ってもいけないのです、ですから、熊本へはやれません」「阿蘇の山ふところには、湯の谷だの、栃の木だの、戸下だのという温泉があると聞きました、白骨へ行く代りに、そちらへ行って済むものならば、そちらへ行きたいと思ったばかりです、深くお気にかけなさいますな」「お前は、熊本が好きですか」「御先祖の地だということが、どうも、絶えずわたしを引きつけて、どうしても肥後の熊本が、墳墓の地のように思われてなりません」「御先祖の地は熊本ではない、この尾張の国が、本当に、御先祖の発祥地だという気にはなれませんか」「どうも、それが……どうしても、そういう気になれないで、熊本が、ほんとに慕わしい故郷の地……というような気ばかりしてならないのです」「お前までがそれだから、縁があって、縁の無い土地というものは仕方がありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...谷にのぞんだ大きな栃の木があって...
久生十蘭 「生霊」
...三年ほど前の帝展で見た薄桃色の花をいっぱいにつけた栃の木の絵...
久生十蘭 「生霊」
...東京では警視庁の横から海軍省の前まで並んでいる栃の木がよく似ている...
横光利一 「欧洲紀行」
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