...十五夜を過ぎたばかりの月は柔和な光をふんだんにふり濺(そそ)いでいた...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...いつもの柔和な手品使と違って...
江戸川乱歩 「踊る一寸法師」
...生得の柔和な人が故意に強がっているようなわざとらしさを感じる...
寺田寅彦 「昭和二年の二科会と美術院」
...また椅子に腰をおろした――ほとんど柔和なと言ってもいいほどの眼つきで...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...彼は苦悩の跡が残ってる柔和な彼女の顔を見守った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...頗(すこぶ)る柔和なる民族の毫も軍人的ならず...
新渡戸稲造 「武士道の山」
...柔和な感じのする人間です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...柔和な感じのする人間です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...色白の柔和な顔立ち...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...柔和な眼――すべて典型的な番頭でこの男だけは惡いことを企(たくら)みさうもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...団十郎(くだいめ)張りの張りのある眼に柔和な光を湛え...
久生十蘭 「魔都」
...隈ない光を浴びている順二郎のふっくりとした柔和な顔は幾分蒼ざめて...
「海流」
...学生服や作業服など有りたけの着物を重ねた、極端にみすぼらしい姿と、青ざめた、柔和な顔...
三好十郎 「その人を知らず」
...それとは反対に柔和なものをどこかに隠している複雑さがあった...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...柔和な調子でゆっくりと云う...
山本周五郎 「季節のない街」
...そしてなお女が訝(いぶか)しげに眼をあげると、あの柔和な、明るい笑いかたでにこっと笑いながらいった、「……八重はあの八重だったのですね」...
山本周五郎 「日本婦道記」
...悪党たちの柔和な...
夢野久作 「鼻の表現」
...こんな柔和な人だったのか...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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