...脊の高い丸太を立てた上に載せた手洗鉢のわきの枯れ竹に...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...枯れても、おおかたは梢からはなれない...
種田山頭火 「草木塔」
...長い間冬威(とうい)にうら枯れていた灰色の草原に緑の春草が芽ぐんだように一点の潤いが私の胸に蘇(よみがえ)ってきた...
近松秋江 「霜凍る宵」
...突然二人は冬枯れた物寂しい沼地の上に立った...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...道ばたにはところどころに赤く立ち枯れになった黍(きび)の畑が...
寺田寅彦 「写生紀行」
...その葉が枯れると又新らしい葉を吸い附けるんだそうである...
豊島与志雄 「恩人」
...たくさんの鳥兜の中にたった一本根を痛められた様子で枯れかかったのはありますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...痩細つて枯れてしまふんだ...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...いままでの不為合せな来しかたが自分にさえ忘れ去られてしまっているような、――そうして、そこには、自分が横切ってきた境涯だけが、野分のあとの、うら枯れた、見どころのない、曠野(あらの)のようにしらじらと残っているばかりであった...
堀辰雄 「曠野」
...桐庵先生の皺枯れ声のひとつひとつが天来の「声」と聴けた...
正岡容 「小説 圓朝」
...実がはじけてついている草の枯れたのが...
水野葉舟 「月見草」
...その手のかゝつた枝が枯れてゐたとみえ...
宮原晃一郎 「熊捕り競争」
...慾情が枯れかかっていることに原因があること...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...草も木も枯れて、山路のながめは、落莫(らくばく)たるものだったが、その夜は、霜でもおりているように、月の光が白かった...
吉川英治 「新書太閤記」
...この大事な禅杖(ぜんじょう)を足蹴(あしげ)にしながら澄ましていくか」「枯れ木でも踏んだのかと思ったら...
吉川英治 「新・水滸伝」
...蕭々(しょうしょう)と冬空の下にそよいでいる枯れ蘆の浮き洲であった...
吉川英治 「随筆 新平家」
...枯れ草と糞(ふん)のにおいが蒸れて来るのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この鳥の聲はそんな枯れさびれたものではないのである...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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