...枝折戸をあけるわけにもゆかないでしきりにそこ此所からのぞいたけれども屏の内はよくも見えない 無論どなたの声もきこえない...
伊藤左千夫 「根岸庵訪問の記」
...同時に枝折戸は押された...
伊藤左千夫 「春の潮」
...一緒にゆきましょう」お千代は枝折戸の外まできて...
伊藤左千夫 「春の潮」
...近日菊の花を見に行き帰るとき大小数枝折取り申候...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そのふたりが咲き亂れたライラツクの花の下で最初の接吻を交したペエジに私の枯葉の枝折をはさんでおいたのだ...
太宰治 「思ひ出」
...どうしたのよ?」と言いながら庭の枝折戸(しおりど)から小走りに走ってやって来られて...
太宰治 「斜陽」
...葡萄棚もあり、枝折戸もあり、何よりも値が安く、六圓五十錢なので、それが嬉しかつた...
太宰治 「當選の日」
...そこにちやんと赤い総(ふさ)のついた枝折(しをり)が挟んであつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...珍らしいから一枝折つたら「ありどほしの花でございます」とお秋さんが又いつた...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...枝折(しお)り代りの切分けを作って...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...果樹の枝折れを挙げることが出来る...
中谷宇吉郎 「雪」
...細君は半分朽ち懸けた枝折戸(しおりど)の影から急に姿を現わした...
夏目漱石 「道草」
...枝折(しおり)が挟(はさ)んであるから...
夏目漱石 「明暗」
...枝折戸(しをりど)を押しあけて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...裏から枝折戸をあけて彌之助さんが入つて來ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...枝折戸の方から飛んで來る彌之助さんとバツタリ顏が逢ひました」お鐵はなか/\の達辯で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...むかし思(おも)へば忍(しのぶ)が岡(おか)の名(な)も悲(かな)しき上野(うへの)の背面(うしろ)谷中(や か)のさとに形(かた)ばかりの枝折門(しをりもん)...
一葉女史 「たま※[#「ころもへん+攀」、U+897B]」
...枝折戸(しおりど)まで...
吉川英治 「新書太閤記」
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