...雨の降り込む簀子(すのこ)の板敷にしょんぼり立っている男の姿を闇(やみ)に透(す)かしながら...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...・月から夜(ヨル)の鳥ないて白みくる明けてまんまるい月□・秋の空から落ちてきた音は何・まづしいくらしのふろしきづゝみ□斬られても斬られても曼珠沙華・ほつとさいたかひよろ/\コスモス夕方から其中庵へ出かける、樹明兄が冬村、二三雄その他村の青年と働いてゐられる、すまないと思ふ、ありがたいと思ふ、屋根も葺けたし、便所も出来たし、板敷、畳などの手入も出来てゐる、明日からは私もやつて出来るだけ手伝はう、手伝はなければ罰があたる、今日まで、私自身はあまり立寄らない方が却つて好都合とのことで、遠慮してゐたが、まのあたり諸君の労作を見ては、もう私だとてぢつとしてはゐられない、私にも何か出来ないことはない...
種田山頭火 「行乞記」
...敵の捨てて遁(に)げた汚(きたな)い洋館の板敷き...
田山花袋 「一兵卒」
...狭い板敷の小屋の中をどさどさ駆けまわって喜んでいるのもある...
壺井栄 「大根の葉」
...よく拭き込んだ板敷の床は凸凹だらけの土間に変り...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...冷たい板敷きの上へ投げ出さずにはいなかった...
徳田秋声 「足迹」
...この板敷の茣蓙に坐って...
中谷宇吉郎 「私の生まれた家」
...店の板敷に崩折れます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...思案に余っているところでございます」店の板敷に額(ひたい)を押しつけぬばかり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...滅多に使はない六疊と板敷の納戸があり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その中は半分板敷の十二疊間で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...板敷の上にごろりと横たはる...
原民喜 「飢ゑ」
...そつと草履をぬいで素足のまゝ板敷の板を踏んだ...
平出修 「夜烏」
...半ば板敷にしたるひと間のみ...
森鴎外 「うたかたの記」
...そこは板敷で、うすべりを敷いた上に、夜具を並べて寝るようになっている...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...ぴかぴかと黒光りのする板敷に藺(い)で作ったスリッパのような上草履(ぞうり)が行儀よく並べてあった...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...やや離れている厨(くりや)の板敷に...
吉川英治 「新書太閤記」
...板敷に胸もつくばかり平伏していた...
吉川英治 「新書太閤記」
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