...一望蒼々たる水田より、一群の白鷺とびたち、杳々として、去つて暮色の中に沒す...
大町桂月 「飛鳥山遠足」
...その上方に日本アルプスの北部が杳々(ようよう)として最後の背景をなしている...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...」前後左右どちらを見ても、ただ杳々茫々、脚下を覗いてもやはり際限なく薄みどり色のほの明るさが続いてゐるばかりで、上を仰いでも、これまた蒼穹に非ざる洸洋たる大洞、ふたりの話声の他には、物音一つ無く、春風に似て春風よりも少しねばつこいやうな風が浦島の耳朶をくすぐつてゐるだけである...
太宰治 「お伽草紙」
...」前後左右どちらを見ても、ただ杳々茫々、脚下を覗いてもやはり際限なく薄みどり色のほの明るさが續いてゐるばかりで、上を仰いでも、これまた蒼穹に非ざる洸洋たる大洞、ふたりの話聲の他には、物音一つ無く、春風に似て春風よりも少しねばつこいやうな風が浦島の耳朶をくすぐつてゐるだけである...
太宰治 「お伽草紙」
...杳々とした野が続いて...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
...――元気で頼(たの)む」かつて知らなかった男の杳々(ようよう)とした思いが...
林芙美子 「清貧の書」
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