...空虚なる樹木は倒れはしまいかという杞憂(きゆう)のために...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...今迄の心配は杞憂(きいう)に過ぎなかつた樣にも思ふ...
石川啄木 「鳥影」
...だがそれは杞憂におわった...
海野十三 「地球を狙う者」
...其の杞憂や絶望は...
大杉栄 「新しき世界の為めの新しき芸術」
...寒からん山廬(さんろ)の我を訪ふ人は炬燵出ずもてなす心ありながら十一月二十七日 小諸山廬に素十、杞陽、春泥、芙蓉落合ふ...
高浜虚子 「六百句」
...それは単なる杞憂に過ぎず...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...併しこの杞憂はそれ程無根拠ではない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...君のその変な杞憂がおかしいよ...
豊島与志雄 「別れの辞」
...もっともこれが私の杞憂に終れば...
中谷宇吉郎 「北海道開発に消えた八百億円」
...そのような懸念はほとんど杞憂(きゆう)でしょうし...
野呂栄太郎 「平野義太郎宛書簡」
...鉄造船にたいする半世紀にわたる頑強な杞憂(きゆう)を永遠に吹飛ばした...
服部之総 「黒船前後」
...それは馬鹿気た程つまらぬ杞憂に終った...
細井和喜蔵 「女給」
...少からぬ杞憂(きいう)を抱(いだ)いた...
三島霜川 「平民の娘」
...願はくは之は自分の杞憂であつて呉れゝばいゝが...
宮原晃一郎 「愛人と厭人」
...これは果して私の単なる杞憂(きゆう)に過ぎないであろうか...
柳宗悦 「小鹿田窯への懸念」
...たといそれは杞憂にしかすぎぬとしても...
横光利一 「旅愁」
...然(さ)れば之(これ)を以(もつ)て直(たゞち)に人口の減少を論じ仏蘭西(フランス)の衰頽(すゐたい)を唱へるのは杞憂であつて...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...当然な杞憂(きゆう)と憤(いきどお)りから発した狼狽であった...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??