...空虚なる樹木は倒れはしまいかという杞憂(きゆう)のために...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...正造の覚悟がそんな杞憂を遙かにのり越えているのを知って...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...少くともその杞憂はうすれたと正造は思った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...此行は年尾、立子を同伴し、此時は杞陽、香葎君等も一緒であつた...
高浜虚子 「椿子物語」
...杞陽(きよう)招宴...
高浜虚子 「六百句」
...その杞柳は柳行李の材料になると山崎氏の話であつた...
野上豐一郎 「北信早春譜」
...杞憂(きゆう)ではあろうけれど...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...杞憂とはまさにこのことだ...
久生十蘭 「だいこん」
...杞憂と不安と混ぜ合せたような幾つかの眼が...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...ところがそういうわたしの解釈は杞憂(きゆう)にすぎなかったことがすぐにわかりました...
火野葦平 「人魚」
...不堪杞憂(きいうにたへず)...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...ひなた臭いような枸杞の香が...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...然(さ)れば之(これ)を以(もつ)て直(たゞち)に人口の減少を論じ仏蘭西(フランス)の衰頽(すゐたい)を唱へるのは杞憂であつて...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...こういう危険さも杞憂(きゆう)しあっていた...
吉川英治 「黒田如水」
...その底なしの凡情ぶりを杞憂(きゆう)するにちがいなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...民衆の杞憂(きゆう)を知らない...
吉川英治 「新書太閤記」
...杞憂(きゆう)のひとつにしていたところである...
吉川英治 「新書太閤記」
...それは杞憂(きゆう)にすぎなかった...
吉川英治 「親鸞」
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