...だれでも――ことに顔や手の表情に本能的な興味を持つ外国人を――蠱惑(こわく)しないでは置かないはなやかな応接ぶりとで...
有島武郎 「或る女」
...ただどうかして警官隊の網からうまく脱出したいという本能的な考えだけが...
海野十三 「深夜の市長」
...無論そう云った批評は主に主観的な感情の本能的な吐露――悪口や又稀には嘆美――に過ぎないから...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...この青年の理智的な恋愛解剖が精妙を極めてるのに比してそれを裏切る本能的な愛欲が如何にも生彩に乏しいことである...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...本能的な信頼に似た一つの感情から...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ひそかな本能的な感情からなんだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは一種本能的な直覚だった...
豊島与志雄 「蘇生」
...かくと見るや本能的な恐ろしい力で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それは動物の本能的な悲哀のように...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...それはただ動物的本能的なもので...
羽仁もと子 「たましいの教育」
...本能的な且つ職業的な彼一流の計画を忘れて...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...そしてこの男は健康な人間に対して本能的な憎悪を持つてゐる...
北條民雄 「道化芝居」
...辱しめられた過去に於て体得した本能的な嗅覚がさうさせるのだ...
北條民雄 「癩院記録」
...或はまたこれは日本の民族性による本能的な政治趣味であらうか――しかし確かに云へることは...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...私は殆んど本能的な活動慾に駆られて私の目の前に現われる何物にでも手を動かした...
三木清 「語られざる哲学」
...その希望は本能的な生活の欲望として...
宮本百合子 「家庭創造の情熱」
...――本能的な敏感とでもいうのだろう...
山本周五郎 「契りきぬ」
...暴力に対する本能的な恐れで...
山本周五郎 「竹柏記」
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