...節操の無いポーターやエールの醸造業者に薬品や不正な物質を供給するのを本職にしている...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...その隣のボヘミアン・ネクタイも、これまた詩よりも女中に手をつけるのが、本職でね...
芥川龍之介 「路上」
...』船『本職が何時も敵(かな)はないんですもの...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...占いをする人というのは渡りもので、十年ばかり前にこの村へ落ちつき、籠屋渡世をしているのだが、本職の方よりは、家の方位を見てくれとか、子供が長病いをしているが何かの崇りではあるまいか考えてくれとか、嫁取り婿もらいの吉凶から、夫婦喧嘩の末にいたるまで、あらゆる日常的な、しかしながら常識をもってしては判断のつかぬ事柄があると、きまって依頼されるその種の占いの方が収入になっていたのである...
犬田卯 「錦紗」
...本職の自分とともにお喋舌(しゃべり)ばかりする奴らはいるが...
岩野泡鳴 「猫八」
...殊に江戸文化の爛熟した幕末の富有の町家は大抵文雅風流を衒(てら)って下手(へた)な発句の一つも捻(ひね)くり拙(まず)い画の一枚も描けば直ぐ得意になって本職を気取るものもあった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...出来ることなら一つ本職の探偵の向うを張ってやろうと...
江戸川乱歩 「黒手組」
...初めて自分は写真をもって本職として世に立つ考えで...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...近郷近在へ出て小間物の行商をやるのが本職で...
田中貢太郎 「山姑の怪」
...フランボーは最近伝えられたグレンジル伯の死説の真偽を確めるために今一人警察の本職探偵と倫敦(ロンドン)からやって来てこのグレンジル城に滞在していた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...ようやく本職になって収入が出て来たとは憎い...
中里介山 「大菩薩峠」
...のちにそれが本職の落語家(はなしか)になってから「本膳」や「百川(ももかわ)」なんて田舎者の出る噺のときにたいへん役に立ちました...
正岡容 「初看板」
...実は本職の役者の間にも動(やゝ)もすれば免れぬ事だが...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...本職と心得ているのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...沢山の物語を暗記してこれを読誦するのが本職である故に...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...「本職の鑑定家が...
山本周五郎 「末っ子」
...不良を本職にしなければ喰えないようになる...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...あらかた農を捨てて本職の煙火師に化けてしまったというのが伝えられているこの郷土沿革なのである...
吉川英治 「銀河まつり」
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