...呑牛は新藏のこれ(と鼻を指さきではたいて)が殆ど本職の樣で...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...殊に江戸文化の爛熟した幕末の富有の町家は大抵文雅風流を衒(てら)って下手(へた)な発句の一つも捻(ひね)くり拙(まず)い画の一枚も描けば直ぐ得意になって本職を気取るものもあった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...「本職は東京警備司令官の職権をもって広く諸君に一言(げん)せんとするものである...
海野十三 「空襲葬送曲」
...帆村探偵は黙々と本職らしい鏝(こて)を動かしつづけた...
海野十三 「東京要塞」
...この飯塚力造さんが将棋さしの本職になつたらずゐぶん強くなつただらう...
関根金次郎 「駒台の発案者」
...上方からくだって来た鰐口(わにぐち)という本職の角力...
太宰治 「新釈諸国噺」
...お医者さんが本職だけれども今は全然その方はなさらず...
谷崎潤一郎 「細雪」
...本職の建築屋さんになりかけていたのであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...肝心の本職の藝者の歌謠の節はしが大分危なつかしく...
寺田寅彦 「伊香保」
...本職の有力なる艦隊を引率するも是その一理由たり...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...本職の方を少し休んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...二人の本職の猟師と...
中島敦 「虎狩」
...寳搜しは本職ぢやない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...長五郎は本職は山師で...
林芙美子 「うき草」
...それをジェナが本職の泥棒だと大げさに言ったのだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...声がよくてとうとう本職のオペラ歌手になり...
三浦環 「お蝶夫人」
...沢山の物語を暗記してこれを読誦するのが本職である故に...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...われわれはみな本職の百姓になってしまうよ」「四五年も待つことはないさ」久保大六も憤然と云った...
山本周五郎 「半之助祝言」
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