...農場という仕事はうそですね」「お前は全体本当のことがこの世の中にあるとでも思っとるのか」父は息子の融通のきかないのにも呆(あき)れるというようにそっぽを向いてしまった...
有島武郎 「親子」
...おれは本当のことをいうが...
海野十三 「宇宙尖兵」
...なんだか本当のことのように思えないのである...
海野十三 「地球発狂事件」
...却つて以前よりも本当のことが書けないやうな気がすることがある...
田山録弥 「小説新論」
...もっと私の納得するように本当のことをいって聴かしてもらいたい...
近松秋江 「狂乱」
...本当のことであればこれ以上残念なことはない...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...賢い人とはちょっと話してもおもしろいというのは本当のことでございますね」じっとしみ入るようにイワン・フョードロヴィッチをみつめながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...心から執着しなければ本当のことは分らない...
豊島与志雄 「囚われ人」
...ネロには本当のことは分かっていませんでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...「本当のことはね……本当のことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...生意気だと言われますよ」「あたいは本当のことを言っているんですよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ではいつ出かけられるかというと、それを待っていたんでは、生涯その暇は作れないにきまっているから、今日、たった今思いついたのを吉日として、早速出かけようと決心をしたのだよ」「まあ、上方見物から西国廻(めぐ)りでございますか――ほんにまあ、急なお思い立ちでございますなあ」「そういうわけで、家事向きのことは一切あの老番頭の太平が心得ているから心配はない、ただ不在中を、お前さんに本家の方へ来ていてもらいたいのだ、こっちの留守番は、いくらも人をよこして上げる」「そうでござんしたか、本当のことは、わたしが方で、旦那様にお願いして、旅に出ようと思っていたところでございましたが、あべこべに旦那様がお出かけになるたあ、思いの外でございました」「いや、それで、一時はお前にいっしょに行ってもらいたい、つまりお前さんといっしょに西国めぐりをしようかという気になったのだが、また考え直してみると、ともは相当のを選んでつれて行けるが、留守の方に、頼みになる人を置かなけりゃならぬ、そこで事務の方は太平に任せて置けば心配はなし、お前さんは、ただ本家の方へ来て、すわっていてもらいさえすればよい」これが洒落者(しゃれもの)ならば、なるほど、与八ならば据わりがいい――と交ぜっ返したくなるような頼みなのですが、頼む方も、頼まれる方も、最もしんみりしたものなのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...本当のことを信ずるという現代の人たちには...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...私が読んだって面白くないンだもの……」「あんまり人の前で本当のこというなよおい!」寛子は二階からぎくしゃくした茶餉台を持って降りて...
林芙美子 「泣虫小僧」
...『わたしが本当のことを言ってるかどうか...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...本当のことはあなた同様知りません」「顧問弁護士の名前は知りませんか」「知っております...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...でも本当のことを黙っているつもりはありません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...これはおそらく本当のことであろうが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
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