...年月を心にかけし御芳野の花の木蔭にしばしやすらふかた分けてなびく柳も咲きいづる花にいとはぬ春のあさかぜみるが内に槇(まき)のしづえも沈みけり芳野の滝の花のあらしにそれから又...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...木蔭(こかげ)を選んで客待(きやくまち)をして居(ゐ)た...
田山花袋 「父の墓」
...木蔭に飢えかつえた哀れな放浪者のように...
徳田秋声 「あらくれ」
...木蔭から覗(のぞ)いて見れば...
中里介山 「大菩薩峠」
...音無川の岸の木蔭の暗いところから...
中里介山 「大菩薩峠」
...この柳の木蔭にいたのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...敦盛の墓の木蔭にはおしろいが草村をなしてびつしりと咲いて居る...
長塚節 「須磨明石」
...キリストは母と父に護られてすでに此のシカモアの木蔭にすやすやと睡っていた...
野上豊一郎 「処女の木とアブ・サルガ」
...お前の楡の木蔭に...
堀辰雄 「或外國の公園で」
...既に葉の黄いろくなりかけた一本の白樺の木蔭に身を横たえた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...木蔭や藪の底にひそんでいた冷い空気を呼び寄せた...
本庄陸男 「石狩川」
...わたしは何処かその辺の木蔭にハイキングの一隊でもがやすんで...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...木蔭を歩きたくなったが水鳥を驚かしてはと...
横光利一 「欧洲紀行」
...たちまち往来(みち)も木蔭も馬息(うまいき)れと人影でうずまった...
吉川英治 「私本太平記」
...日盛りの一刻は、皆、木蔭やそこらで、昼寝しているのに」「眼につく所で働いていると、皆様の昼寝を邪魔しますから、屋根ならよいと思って」「嘘をいえ...
吉川英治 「新書太閤記」
...こよいはこの沢で落葉を衾(ふすま)にして眠るよりほかないものと霰(あられ)の白くこぼれてきた黄昏(たそが)れから木蔭におとなしい兎のような形になってうずくまっていたのである...
吉川英治 「親鸞」
...木蔭の日陰をたどって...
吉川英治 「親鸞」
...見すと近くの木蔭に壯年の男がしやがんで險しい眼をして我等を見てゐた...
若山牧水 「梅雨紀行」
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