...其処には四頭の大きな馬に曳かせた馬車が一台一叢(ひとむら)の木蔭に待つてゐる...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...上氣して觀念した樣に青い眼をぢつと閉ぢて力がぬける自分は驚いて幾度も名を呼びあわてゝ木蔭へつれこむ...
千家元麿 「自分は見た」
...露忍ぶ木蔭(こかげ)もなく彷徨(さまよ)ひ給へる今の痛はしきに...
高山樗牛 「瀧口入道」
...そして二本並んだ木蔭へ足を投げ出して坐って吾等を招いた...
寺田寅彦 「鴫つき」
...藤澤あたりの道端で一休みしたついでに松の木蔭で辨當を食つてゐた時...
永井荷風 「羊羹」
...それを懸念(けねん)しながら木蔭を出たり離れたりして...
中里介山 「大菩薩峠」
...夏の木蔭(こかげ)の午睡...
中島敦 「悟浄歎異」
...その向うの木蔭から...
中島敦 「プウルの傍で」
...此の日は朝から無理な歩きやうをした爲か足がだん/\に痛み出して居たので松の木蔭の草村へ※を敷いて休んだ...
長塚節 「白甜瓜」
...木蔭(こかげ)から出たり隠れたりする屋根瓦の積み方も東京地方のものには珍らしかった...
夏目漱石 「行人」
...小人若うて道に倦(う)んじ走りて隱者を得しが如く今われ山路の歸さ來つつ木蔭に形(かた)よき汝をえたり...
萩原朔太郎 「古盃」
...小暗い木蔭の道路での...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...県下の大半の人間が衣裳を著(き)飾って楽しげに木蔭を逍遥(しょうよう)しているが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...うしろの木蔭まで尾けて来た日本左衛門をして茫然とさせました...
吉川英治 「江戸三国志」
...「……?」孫権は木蔭から見ていた...
吉川英治 「三国志」
...木蔭は青葉蒸(む)れがする...
吉川英治 「私本太平記」
...胴元がいくらでも駒をまわしますからね」木蔭から...
吉川英治 「野槌の百」
...山之内村の耕地からやがて杉並木につつまれた木蔭にはいった...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??