...――」棕櫚(しゅろ)の木はつい硝子(ガラス)窓の外に木末(こずえ)の葉を吹かせていた...
芥川龍之介 「彼」
...白茶(しらちゃ)けた苔(こけ)に掩(おお)われた木々と木末(こずえ)に咲いた藤の花と木々の間に仄(ほの)めいた池と...
芥川龍之介 「春」
...夏をうたはんとては殊更に晩夏の朝かげとゆふべの木末(こぬれ)をえらぶかの蜩の哀音(あいおん)を...
伊東静雄 「詩集夏花」
...根本より木末に至るまでむらなく樺色に染まりながら...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...烏がよく其枯れた木末(こずえ)にとまる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...諸木々の木末しぬぎて...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...天狗原の坦頂に到るや、大小の磊岩、偃松の木末、葉末ところどころ床しくも現われる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...みんな木末を谷底に向けて這っているから...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...頭上の岩壁や楓の木末から...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...生き生きと木末を上方にもたげていた...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...西南の尾根にさやぐ落木の木末の網目から...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...チャンと末吉と、荒木末吉と、ここに書いてありやす...
三好十郎 「鈴が通る」
...ふるさとの春の木末にたづねきて世の常ならぬ花を見るかなと源氏は独言(ひとりごと)したが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...木末(こずえ)の一葉(ひとは)だに動くことなし...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...×高い木末(こずゑ)に葉が落ちてあらはに見える...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...わが庭の高き木末(こずゑ)に小鳥の巣一つ懸かれり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...初春(はつはる)ひがむ気短(きみじ)かな鵯鳥(ひよどり)は木末(こずゑ)の雪を揺りこぼし...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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