...この果知れぬ曠野が今にもまっ二つに裂けて...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...眺望曠然、蔬菜の緑葉毛氈を敷きしが如し...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...他生曠劫(たしょうこうごう)の波に流転(るてん)する捨小舟(すておぶね)にひとしき身でございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...こうやって観海寺の石段を登るのは随縁放曠(ずいえんほうこう)の方針である...
夏目漱石 「草枕」
...曠野(ステッピ)は一面に赤くなつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...神々しい夜だ! 蠱惑的な夜だ! と、不意に、あらゆる森羅万象が活気づく――森も、池も、曠野も...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...大群をなして未墾の曠野を横行し居ると...
南方熊楠 「十二支考」
...寺堂園林より曠野に至るまでその像を立てざるなく...
南方熊楠 「十二支考」
...長い間君に背いて交情を曠(むなし)うしてゐた...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...それとも大陸の自然の曠漠たる所が在留邦人の気象に反映してゐるためであらうか...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...伊吹の裾につづく関ヶ原の曠野は視野のかぎり...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...曠野の無数の窪(くぼ)にわかれているのだった...
吉川英治 「三国志」
...そして曠(は)れて御対面のかなう日を...
吉川英治 「私本太平記」
...曠(は)れの総帥(そうすい)の名に気負ってもいた...
吉川英治 「私本太平記」
...曠野(こうや)へ駈け出し...
吉川英治 「新書太閤記」
...古典のもったような眼をかりて大きな人生の曠野や時の流れを観ること――また読者に観せることも――小説という仕事の上にあってよいし...
吉川英治 「随筆 新平家」
...曠(はれ)の殿上へと...
吉川英治 「源頼朝」
...この曠野(こうや)の中では親しくひびく...
吉川英治 「宮本武蔵」
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