...彼の家はこの聖都を取り囲んでいる曠原のように荒れ果てて来た...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...「顧ルニ宇内列国ノ進勢ハ日一日ヨリ急ナリ今ノ時ニ当リ紛争日ヲ曠クシ遂ニ大計ヲ遺レ以テ国運進張ノ機ヲ誤ルカ如キコトアラハ朕カ祖宗ノ威霊ニ奉対スルノ志ニ非ス又立憲ノ美果ヲ収ムルノ道ニ非サルナリ」との御諭であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...遮るものとてもない曠野の中を...
田山録弥 「犬」
...寒い荒凉とした曠野...
田山録弥 「時子」
...アメリカの曠野に立つ樫(かし)フランスの街道に並ぶ白楊樹(はくようじゅ)地中海の岸辺に見られる橄欖(かんらん)の樹が...
永井荷風 「霊廟」
...山のむこうにはまた空漠たる曠原が待ちうけているのだろう...
久生十蘭 「新西遊記」
...いち早く通ずる曠野(こうや)の淋しさであった...
本庄陸男 「石狩川」
...曠野城の大将の恒例として...
南方熊楠 「十二支考」
...曠野城の嫁入り前の女子が昼間稠人(ちゅうじん)中で裸で立ち尿をした空前の手際に...
南方熊楠 「十二支考」
...一体に北に向ふ満鉄本線の左は曠野(くわうや)なのに対して...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...山上から曠野まで馳せおりて来た心地がした...
吉川英治 「三国志」
...ここ何川か、何とよぶ曠野か、名知らぬ草を、朱(あけ)にそめて、凄愴な殺戮(さつりく)は、彼らの手によって決行された...
吉川英治 「三国志」
...長江の支流は百腸(ちょう)のように曠野(こうや)を縦横にうねり...
吉川英治 「三国志」
...曠々(はればれ)とゆけ」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...死に就くべき曠(はれ)のものを揃えさせていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...いっそ、戦のあるまん中へ行って、本陣をたずねてゆけば、ものの分る人がいるであろう」――そこでかの女は、犬山城(いぬやまじょう)の白壁を目あてに、曠野の道を、ここまでは来たが、川原を歩いても、小舟はなし、木曾(きそ)の奔流(ほんりゅう)は、瀬や岩々に、白いしぶきを激(げき)し、いくら大胆なかの女でも、渡りも得ず、たださまよいつづけていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...――君も坂東の曠野に生れ...
吉川英治 「平の将門」
...曠茫(こうぼう)とした荒野にとりかこまれていた...
蘭郁二郎 「自殺」
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