...陸奥外務大臣の曠職...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...百万の大軍がいま戦争さいちゅうの曠野...
太宰治 「地球図」
...持って行きどころのない体が曠野(あれの)の真中に横たわっているような気がした...
徳田秋声 「新世帯」
...あの曠(ひろ)い沙漠の中にポックリと築かれているピラミッドを考えてみる時...
中井正一 「美学入門」
...眞暗な曠野を急ぐ...
中島敦 「盈虚」
...まれに訪れるものとては曠野(こうや)に水を求める羚羊(かもしか)ぐらいのものである...
中島敦 「李陵」
...太陽がようやく霧の曠原(こうげん)の彼方(かなた)に落ちた...
中谷宇吉郎 「アラスカ通信」
...茫漠たる曠野と、怪奇を極めた岩山と、ゴティクとアラビクのまざり合つた異樣な樣式の建物と、エル・グレコとゴヤとヴェラスケスの繪畫と、女・男の美しい顏と粗末な風裝と、内亂の悲慘を物語る破壞と焦土と、塹壕とトーチカと、彈丸の缺けらと鐵條網と、血痕と墳墓と、……そんなものが二重映し三重映しになつて視覺から離れなかつた...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...ニコラスは曠欠を恐れて叔父のニコライ大公に譲位しようとしたが...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...曠野鬼神の手から救われ返った故この児を曠野手と名づけ王となる...
南方熊楠 「十二支考」
...ハンガリアの曠野の終る所...
横光利一 「欧洲紀行」
...ゴオドはたゞ獨りブルバラネクの曠野の上を...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...曠野は果てなくまた露が深かった...
吉川英治 「三国志」
...二曠野に陽(ひ)も落ちて...
吉川英治 「三国志」
...曠々(はればれ)と上る手筈もしていたところなので...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼女はただ――女ごころに――殊にそういう曠(は)れがましい事は好きだし...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...際涯(さいがい)なき曠野の十方に展(ひら)くのである...
吉川英治 「平の将門」
...いぶり燃えていた曠野の火も血も洗い消された後では...
吉川英治 「平の将門」
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