...彼女は丈五郎夫婦に信服していた訳ではなく寧ろ暴虐な主人を恐れ憎んでいた位だから...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...その頃になってようやく知れて来たロシアの共産党政府の無政府主義者やサンジカリストに対する暴虐な迫害や...
大杉栄 「日本脱出記」
...その正義感のために暴虐な貴族の手によってバスティーユ牢獄に投獄され...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...虫から見ればかなり暴虐な事かもしれない...
寺田寅彦 「蜂が団子をこしらえる話」
...それら暴虐な力の使徒たちはたいていいつも卓越した虚弱な人たちであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...押へつけるやうにする指のはたらきそのぶるぶると身ぶるひをする愛のよろこび はげしく狡猾にくすぐる指おすましで意地惡のひとさし指卑怯で快活な小ゆびのいたづら親指の肥え太つたうつくしさと その暴虐なる野蠻性ああ そのすべすべと磨きあげたいつぽんの指をおしいただきすつぽりと口にふくんでしやぶつてゐたい...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...この暴虐な猟人の銃口の前で怖れおののいている...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...暴虐な手兵を持たぬ張作霖を対手に...
河本大作 「私が張作霖を殺した」
...漸つと暴虐な人間どもの顏は消え失せた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...習慣と称ぶ暴虐なる先入主を打破せんと欲する者は...
牧野信一 「ユリイカ・独言」
...無礼暴虐な平馬の姿を追って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...秋田氏暴虐なりしを述べて...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...暴虐なナチズムの精神を追いはらったのである...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...武王が臣を以て君を弑するは亦暴虐なるに非ずや...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...それは地上の特権であった暴虐な男性の腕力に刃向う彼女の反逆であり怨恨であった...
横光利一 「日輪」
...久しく攻伐し合った暴虐な諸国の王をその足下に蹂躙(じゅうりん)するときが来るであろう...
横光利一 「日輪」
...しかしキリスト教界に於ても最早何人も征服者の暴虐な所行を弁護するものはあるまい...
和辻哲郎 「鎖国」
...迫害の心理はやがて彼らを暴虐な為政者たらしめる...
和辻哲郎 「鎖国」
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