...彼の言動によって、私たちの間には暗然とした空気が漂っている...
...結果が思わしくなかったため、彼は暗然とした顔をしていた...
...見た目はちょっと暗然としているけど、実はすごく楽しい人なんだよ...
...今回の失敗で、彼女は暗然とした気持ちになってしまった...
...彼女の辞職を聞いたとき、私たちのチームは暗然としたムードになった...
...帯刀は暗然として腕を拱(こまね)いた...
海野十三 「くろがね天狗」
...人間のつましさに暗然とし...
太宰治 「人間失格」
...彼女の極めてしとやかな挙措、言辞には些の狂的な変調も見られなかったが、生前X君に親しかった草野貞之、中島健蔵、佐藤正彰の三君は、X夫人のつつましやかな言動の底に異常な決心が固められているのを早くも、感得して、異口同音に、彼女は死を決しているらしい、と僕に告げて、一同暗然とした...
辰野隆 「感傷主義」
...暗然たる気持で此の幸福そうな団欒(だんらん)を眺めていた...
中島敦 「光と風と夢」
...某は暗然として答えて言った...
新渡戸稲造 「自警録」
...一層寂しく暗然としたことだらう...
萩原朔太郎 「足利尊氏」
...畜生――! (一同暗然として...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...雪之丞は浪路さまから、何度呼び出しをうけても、義理をお屋敷へ立て抜いて、お言葉にしたがわなかった容子(ようす)で――」「では、むすめは、いのちを賭(か)けて恋いした、雪之丞に、逢わずに死んだというわけか――」と、さすが、わが子のあわれさに、暗然として、三斎がつぶやいた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...暗然のタブウのようなものがあるのでしょうか?かりにそんなものがあったとしても...
三好十郎 「アメリカ人に問う」
...現状のお気の毒さに比べて考えては皆暗然としておいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...舎人はそう思って暗然と眼をそむけた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それで我々もあとから追ってみるつもりなんですが」「あのお二人のようすは分りませんの」「分りました」十郎兵衛は暗然と声をひそめて云った...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...ただ暗然とするのみで...
吉川英治 「剣の四君子」
...――ひとたび権力の座をすべれば――こうも彼ら狼(おおかみ)の群れにまで足もとを見くびられるかと、仲時も時益も、暗然と、思い知らされたことだった...
吉川英治 「私本太平記」
...いまさら越前(えちぜん)へももどれず……」深夜の客は暗然(あんぜん)として...
吉川英治 「神州天馬侠」
...跡部大炊とわかれて、自分たちの隊へもどって帰る途中、暗然と、顔を見あわせて、「……美濃どの...
吉川英治 「新書太閤記」
...無念というも云い足りぬ」語り終っても彼はなお幾たびも、膝にかためている拳(こぶし)を眼へやっては、暗然と、鳥肌のようになった面(おもて)をそむけていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...敢(あえ)なく眼を瞑(つむ)っておりまするので』暗然として住持は云う...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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