...彼の言動によって、私たちの間には暗然とした空気が漂っている...
...結果が思わしくなかったため、彼は暗然とした顔をしていた...
...見た目はちょっと暗然としているけど、実はすごく楽しい人なんだよ...
...今回の失敗で、彼女は暗然とした気持ちになってしまった...
...彼女の辞職を聞いたとき、私たちのチームは暗然としたムードになった...
...出た方が良いよ」「そりゃ判ってるけれど――どうも怠(なま)け癖がついてしまって」「小説か何か書いているのかい」私は暗然(あんぜん)と顔を上げた...
梅崎春生 「風宴」
...」とゐずまひをただして暗然たるかと思ふと...
小穴隆一 「二つの繪」
...彼女の極めてしとやかな挙措、言辞には些の狂的な変調も見られなかったが、生前X君に親しかった草野貞之、中島健蔵、佐藤正彰の三君は、X夫人のつつましやかな言動の底に異常な決心が固められているのを早くも、感得して、異口同音に、彼女は死を決しているらしい、と僕に告げて、一同暗然とした...
辰野隆 「感傷主義」
...そして広大なるこの別天地の幽邃(ゆうすい)なる光線と暗然たる色彩と冷静なる空気とに何か知ら心の奥深く...
永井荷風 「霊廟」
...暗然たる気持で此の幸福そうな団欒(だんらん)を眺めていた...
中島敦 「光と風と夢」
...「これを皆んな弟にやる心算(つもり)だつたのに」莊太郎は暗然としました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御覽の通り四ヶ所も突き傷があつては――」小半次は部屋の隅に寢かしてある主人の死體に眼をやつて暗然として首を垂れるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...殺人の二十三人と云うのはいったいどうしたことかとわたしは暗然となるのです...
林芙美子 「新生の門」
...みな暗然として屍骸に見入る...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...畜生――! (一同暗然として...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...そんなことを思ふと口先だけでは勢ひの好い虚勢ばかりを張つてゐるものゝ内心は至つて臆病な彼は、折角の若い日も滅茶苦茶になつてしまつた気がして、暗然とした...
牧野信一 「明るく・暗く」
...暗然として私に告げた...
牧野信一 「毒気」
...時々思つて暗然とした...
牧野信一 「貧しき日録」
...聞くほうでも暗然となるようなことが多かった...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...二人の老人は暗然として顔を見合わせた...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...官兵衛も実に暗然とした...
吉川英治 「黒田如水」
...(これはいけない――)範綱は、暗然として、枕もとに泣いている十八公麿と、朝麿、二人の幼い者のすがたを見た...
吉川英治 「親鸞」
...しかし、伝えられる説と私の解釈とは、違うのであるが――それは、草雲の母ます女が、彼を妊娠(にんしん)した時に、良人の常蔵に、その欣びをささやくと、常蔵は、暗然として、『それは弱った...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
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