...君は故郷に帰っても、仕事の暇々には、心あてにしている景色でもかく事を、せめてもの頼みにして札幌(さっぽろ)を立ち去って行ったのだろう...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...講演の暇々(ひまひま)にそれらのものに接することに大きな喜びを感ぜられたのでした...
石原純 「アインシュタイン教授をわが国に迎えて」
...そしてその暇々(ひまひま)に筆を執(と)ったりして至極暢気(のんき)に日を送っていたのです...
江戸川乱歩 「黒手組」
...その暇々には各村の有志たちを手紙で激励していたことを...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...)ただ、人と争うことであって、その暇々に、私たちは、何かおいしいものを食べなければいけないのである...
太宰治 「如是我聞」
...生前暇々を見ては...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...また公用の暇々には...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...且つまた、職務の暇々には、自分も興味を以て畿内の名所旧蹟を歴遊してもよいということだから、こうなってみると、あえて米友やお角をたよりにする必要はない...
中里介山 「大菩薩峠」
...暇々に思い出しては書き綴って置きました...
穂積重遠 「法窓夜話」
...雨間(あまま)を見ては、お勤の暇々に、私も少しずつ手入れをさせ出していたが、そんな或日の事だった...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...その暇々にシユーセンの口利きをしちや口銭稼ぎに夢中になつてゐる人間なんぞに俺等の辛え気持がわかるかい!津村 あんだと! 私が...
三好十郎 「地熱」
...そして大多数の稼業の暇々が好運にも一致した時だけ「戦さ」をしはじめた...
三好十郎 「俳優への手紙」
...各人が映画その他で稼ぐ暇々に芝居をすると言う事をはじめた...
三好十郎 「俳優への手紙」
...君達にスタア意識があり、稼業があり、暇々があり、食いはぐれがないという安心があると言う事が良い事か悪い事か僕にはわからない...
三好十郎 「俳優への手紙」
...それから君達の「暇々」と...
三好十郎 「俳優への手紙」
...農事の手傳いの暇々にカツギ屋を始めました...
三好十郎 「肌の匂い」
...暇々に剣術のひと手も教えて頂けませんか」中にはそう云う親もあった...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...彼は軒で薪を割りながら暇々に家の中の人声に気をつけた...
横光利一 「南北」
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