...ことしは我がためにかく晴々しくいでたちしかと疑はる...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...やはり避暑地の晴々とした安楽を感じる...
犬養健 「愚かな父」
...凝乎(じっ)と大空を眺めていると亡った妻も微笑(ほほえ)みながら「今日は珍しい方のお墓にお詣りをして来て下すったのね」と今にもそこに現れて来そうなほど晴々しい気持がしていた...
橘外男 「逗子物語」
...均平はこの世界以外の少し晴々した場所で遊んだ習慣があり...
徳田秋声 「縮図」
...世界が俄に晴々としてきて...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...何かこう晴々としたもの...
豊島与志雄 「丘の上」
...その如何にも愉快でたまらなそうな晴々とした顔を見て...
豊島与志雄 「黒点」
...晴々とした平助の顔と打沈んだ音吉の顔とが...
豊島与志雄 「土地」
...世間が晴々しくなって...
中里介山 「大菩薩峠」
...「おら一日でも思ひ晴々としたことはねえんだよ」と十九夜講で女房達の落合つた時には遂ひ洩れることがあるのである...
長塚節 「芋掘り」
...きょうあたりはまた晴々(せいせい)して例のごとく飛んで歩いているだろう...
夏目漱石 「三四郎」
...娘のやうに眼を晴々とさせて...
林芙美子 「朝夕」
...晴々した空が見たいわ……」隣りの部屋では...
林芙美子 「浮雲」
...十月の晴々した日であつた...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...根岸競馬の花火が晴々しい爆音をひろげた...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...再び彼を晴々とさせた...
吉川英治 「剣難女難」
...晴々いいながら近づき...
吉川英治 「三国志」
...最初にそれ始めた私の心の調子はどうしても平常の賑かな晴々しい所に歸つて行かなかつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索