...晴々しい面色(おももち)で...
泉鏡花 「婦系図」
...瑠美子を預かってくれている師匠の晴々した目と...
徳田秋声 「仮装人物」
...あの子を実の子のように愛してさえくれたら……愛することによってお前の生活が、晴々としたものに、そうだ、晴々となったら、僕はどんなに嬉しいか知れない...
豊島与志雄 「子を奪う」
...朝日の流れてる晴々とした空を仰いで...
豊島与志雄 「人の国」
...たのしげに晴々しくは見えませんでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...故郷の友達でもやって来たような晴々しい面色になる...
中里介山 「大菩薩峠」
...おふさの顏は又晴々とした...
長塚節 「おふさ」
...忽ち彼女は救はれたやうに晴々とした顔つきになる...
中村地平 「悪夢」
...気のおけない家ぢやないか」嘉吉は何故か晴々とした気持ちでなか子を慰さめることが出来...
林芙美子 「朝夕」
...案外、君が、僕の気持ちを判つてくれたンで、何だか、気持ちがとても楽になつたし、晴々した...
林芙美子 「浮雲」
...晴々と面を輝やかせながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...晴々しく笑ひながら大原に向つて...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...――純造の声は急に晴々しい快活な調子に変つた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...松の木にそれを吊して晴々と闘ひを演じたこともあつた...
牧野信一 「蝉」
...晴々とした不断の顔を右へ向けた...
森鴎外 「あそび」
...駿河なる宇津ノ山べのうつつにも夢にも人に会はぬなりけりすると、それに応じて、前を行く裸馬の背からも、日野資朝が同じように、晴々と、こう歌った...
吉川英治 「私本太平記」
...――われこそ、などと、晴々しく立って、もし射た矢が、敵のいる峰にも届かず、徒(いたずら)に谷へ落ちて行ったりなどしたら、一代物笑いの種となるから、誰も自重していたものとみえる...
吉川英治 「源頼朝」
...雲の中を出たように心が晴々と冴え返ってくる...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索