...いと晴々しき面色(おももち)にて...
泉鏡花 「海城発電」
...佐吉さんは、超然として、べつにお祭の晴着を着るわけでなし、ふだん着のままで、店の用事をして居ましたが、やがて、来る若者、来る若者、すべて派手な大浪模様のお揃いの浴衣(ゆかた)を着て、腰に団扇(うちわ)を差し、やはり揃いの手拭いを首に巻きつけ、やあ、おめでとうございます、やあ、こんにちはおめでとうございますと、晴々した笑顔で、私と佐吉さんとに挨拶しました...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...晴々しい気持で考えていたのであったが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...きつと気が晴々するよ...
ボードレール 富永太郎訳 「ANY WHERE OUT OF THE WORLD」
...晴々とした眼付で微笑み合っていた...
豊島与志雄 「或る素描」
...晴々とした笑みが溢れていた...
豊島与志雄 「白血球」
...晴々(はればれ)した美しい面になると...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして晴々してゐた彼の顔は俄かに曇つて来た...
長與善郎 「青銅の基督」
...前よりは気分が大分晴々(せいせい)した...
夏目漱石 「それから」
...と思えば心も晴々しくなって来る...
新渡戸稲造 「自警録」
...入って来い」奥から思ったよりも晴々しい平次の声...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心持が晴々したやうに感じた...
平出修 「逆徒」
...しかし、私は、昇(のぼ)る陽も、晴々とした空も、醒めつゝある自然も見なかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...晴々しく笑ひながら大原に向つて...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...あたしのやうに気分が晴々しい!」時には...
牧野信一 「F村での春」
...晴々としてゐたのに――...
牧野信一 「バラルダ物語」
...之から正しくなろうとする勇気を見出す程晴々したものはありません...
松永延造 「職工と微笑」
...晴々いいながら近づき...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索