...晴々しい心地に今日なり得たのは全く土地解放の結果です...
有島武郎 「狩太農場の解放」
...凝乎(じっ)と大空を眺めていると亡った妻も微笑(ほほえ)みながら「今日は珍しい方のお墓にお詣りをして来て下すったのね」と今にもそこに現れて来そうなほど晴々しい気持がしていた...
橘外男 「逗子物語」
...ただ必ず危険ではあると云うまでの事じゃ」彼等は晴々するような流れを静かにさかのぼった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...おっ母さんと俺が困るだけさ――」走る自動車のなかでとも子は晴々しい気持になった...
戸田豊子 「歩む」
...妙に気分が晴々としてくるのを感じた...
豊島与志雄 「運命のままに」
...嘗て見たこともない赤い晴々とした光線だった...
豊島与志雄 「丘の上」
...「僕の心は晴々としている...
豊島与志雄 「二つの途」
...山王様へも晴々しく参詣をして同行の一座をよろこばせ...
中里介山 「大菩薩峠」
...気色(きしよく)が余程晴々して来(き)た...
夏目漱石 「それから」
...「ああ晴々(せいせい)して好(い)い心持だ」彼は八畳の座敷の真中に小さな餉台(ちゃぶだい)を据えてその上で朝から夕方までノートを書いた...
夏目漱石 「道草」
...それで解つたよ」平次の聲は七月の空に晴々しく響きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...初めて晴々と笑へる気がした...
林芙美子 「浮雲」
...すつかり了解したやうな晴々しさで...
林芙美子 「浮雲」
...少しばかり晴々した氣持だつた...
林芙美子 「秋果」
...すっかり晴々として...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...顔色の晴々した人になつてゐて...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...又は浅緑の晴々とした色をして居た...
柳田國男 「夢と文芸」
...曹操は、彼を見ると、晴々と、「いつもながら信義に篤い足下の早速な会同を満足におもう」と、いった...
吉川英治 「三国志」
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