...自分は其時稚心(をさなごころ)にも猶この葬式が普通でない事...
石川啄木 「葬列」
...普通でないところが――何か強い印象を与える...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...ただ学士の妻になり損なったものが百姓になって畠を打つほど零落するのは普通でない...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...どうしても普通でない...
太宰治 「春の盗賊」
...何か知ら此の少年に普通でない所があるのを感じたのか...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...何かしら普通でないその事を理解しようとして...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...だが明かに普通でない硬は張つた顔と...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...一種普通でない様子で寝かされてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...深く感ぜよといふことは、この不可思議の、普通でない、深奥と心理の扉を開くためである...
田山録弥 「自からを信ぜよ」
...帯を取っただけ」しかしとく子の様子は少し普通でない...
外村繁 「澪標」
...引き緊まったちょっと普通でない世界が生まれてくるのである...
中井正一 「美学入門」
...其枳の為に救われたということで最初から彼の普通でないことが示されて居るといってもいい...
長塚節 「太十と其犬」
...眼科で(例えば前眼房の穿刺のような)幾らかの手術および幾つかの普通でない治療法が行われた...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...彼の様子が普通でないということはみんなも信じており...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...どうも普通でない...
久生十蘭 「だいこん」
...)普通でない、誰が見ても、直ぐに目だつ程な可笑しいキンチヤク頭であるとか、少くとも当人の前ではそれに関する話は遠慮しなければならない、当人もそれを非常に苦にしてゐるが、絶対的のことだから仕方がない、それ程目だつて普通でない格好だとする、その男は、若し細君がどんな場合にも頭の格好についての話をすると、それだけには大変敏感に己れを感じて、突然、怖ろしく不気嫌になる――さういふ種類の、気の毒な滑稽感を抱いて我慢した...
牧野信一 「秋晴れの日」
...(c)もし不可能なことと普通でないこととの間・また自然の秩序に反することとただ人間の常識に反することとの間・に存する差別がよくわかれば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...よその男の名を書くということも普通でないから...
柳田国男 「木綿以前の事」
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