...田川夫人が世に時めく良人(おっと)を持って...
有島武郎 「或る女」
...胸の時めく里である...
泉鏡花 「瓜の涙」
...意外にも今を時めく...
海野十三 「恐怖の口笛」
...まゆみは我知らず心の時めくのを覚えた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...現在巴里(パリー)に時めく若干(なにがし)かの紳士(ジェントルマン)等に思い知らせるためである...
コナン・ドイル 新青年編輯局訳 「臨時急行列車の紛失」
...小さき瓜を此の大きさに育て上げたのは誰だ? 慘めな亡命者を時めく衞侯に迄守り育てたのは誰だ? と樓上で狂人の如く地團駄を踏んで喚いてゐる彼の男の聲にも...
中島敦 「盈虚」
...小さき瓜を此の大きさに育て上げたのは誰だ? 惨めな亡命者を時めく衛侯に迄守り育てたのは誰だ? と楼上で狂人の如く地団駄を踏んで喚いている彼の男の声にも...
中島敦 「盈虚」
...僕は時めくために生れた男ではないと思う...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...まさしく敗北者(はいぼくしゃ)と称すべき者で世に時めく者が少なくない...
新渡戸稲造 「自警録」
...時めく男爵夫人である...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...此(こ)の侍、いかなる身元かと言うと、当時時めく名医、典薬左井黙庵(てんやくさいもくあん)の次子、不二之進(ふじのしん)、代々の医業を嫌って、菱川(ひしかわ)派の流れを汲んだ浮世絵ぶりに大名(たいめい)を馳(は)せ、雅号を露月(ろげつ)と名乗って、程近い徒士町(おかちまち)辺に閑居を構え、数寄(すき)風流の道に遊んでいるものでありました...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...世に時めく新華族の主人公などは新派の芝居を見てもそんなふうにいってるのをきいたことがありました...
柳原白蓮 「私の思い出」
...いまも出陣を前にして、侍女美童を左右に侍(はべ)らせ、酒間に重臣から軍務を聞いて、いちいち決裁を与えている有様は、時めく人、そのままだった...
吉川英治 「黒田如水」
...今を時めく寵妃とたれ知らぬはない阿野廉子(やすこ)などの艶姿(あですがた)であった...
吉川英治 「私本太平記」
...時めく公卿らしく...
吉川英治 「私本太平記」
...宋(そう)朝廷に時めく高(こうきゅう)一門といえば...
吉川英治 「新・水滸伝」
...自分は時めく平相国(へいしょうこく)の家人(けにん)の嫡子(ちゃくし)として...
吉川英治 「親鸞」
...時めく大臣の愛人であるものが...
吉川英治 「平の将門」
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