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饗庭篁村 「木曾道中記」
...小さき瓜を此の大きさに育て上げたのは誰だ? 慘めな亡命者を時めく衞侯に迄守り育てたのは誰だ? と樓上で狂人の如く地團駄を踏んで喚いてゐる彼の男の聲にも...
中島敦 「盈虚」
...まさしく敗北者(はいぼくしゃ)と称すべき者で世に時めく者が少なくない...
新渡戸稲造 「自警録」
...奥方は今を時めく老中...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今に時めく大名より...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...すぐれて時めくようなことはなかったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...時めく勢いにまかせて邸内へ設けた四階の楼閣...
山本笑月 「明治世相百話」
...こうした純芸術家肌の能静氏の処へ今を時めく宰相公のお納戸組馬廻りの格式を持った翁が恭(うやうや)しく訪問した情景は正に劇的……小説的なものであったろう...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...いまも出陣を前にして、侍女美童を左右に侍(はべ)らせ、酒間に重臣から軍務を聞いて、いちいち決裁を与えている有様は、時めく人、そのままだった...
吉川英治 「黒田如水」
...そうした持明院派の朝(ちょう)に時めく人々のさまは...
吉川英治 「私本太平記」
...時めく頭(とう)ノ中将殿であるからだ...
吉川英治 「私本太平記」
...好んで今を時めく権門を避けているような彼にもおもわれる...
吉川英治 「私本太平記」
...時めく近衛大将軍家の公達(きんだち)とはなったのである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...時めく高家から下げられた罪人だし...
吉川英治 「新・水滸伝」
...時めく宋(そう)朝廷の大臣高(こうきゅう)の従兄弟(いとこ)で高廉(こうれん)という人物...
吉川英治 「新・水滸伝」
...宋(そう)朝廷に時めく高(こうきゅう)一門といえば...
吉川英治 「新・水滸伝」
...自分は時めく平相国(へいしょうこく)の家人(けにん)の嫡子(ちゃくし)として...
吉川英治 「親鸞」
...――が、さすがに、時めく、小一条の左相(さしょう)の邸には、まだその騒ぎが、今日まではなかった...
吉川英治 「平の将門」
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