...』と智惠子は俯向いたお利代の胸の邊を昵(ぢつ)と瞶(みつ)めた...
石川啄木 「鳥影」
...「マリヤ様の昔昵懇(むかしなじみ)だよつて極楽に入らさせて呉れさつしやれ...
薄田泣菫 「茶話」
...不断顔昵懇(かほなじみ)の坊さんが出て来て(医者が来るのが遅過ぎる時には...
薄田泣菫 「茶話」
...最後の一瞥を長い間の昵懇(じつこん)だつた大地の上に投げた...
薄田泣菫 「独楽園」
...もうここらの色に昵(なじ)んで...
徳田秋声 「足迹」
...その社会の空気に昵(なじ)まず...
徳田秋声 「縮図」
...お今を男に昵(なじ)ませようと試みた...
徳田秋声 「爛」
...然し庄吉は何だかお主婦さんに昵(なじ)めなかった...
豊島与志雄 「少年の死」
...故人と昵懇(じっこん)の浪人者...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...死んだ蔵人とわけても昵懇(じっこん)にしていた...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...身分は違うが昵懇(じっこん)にしているから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鉄砲笊を担いで歩く屑屋と昵懇でいいものでしょうかね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何となく長い間の昵懇な間柄でもあるやうな親しさが湧いてきた...
林芙美子 「雨」
...正寧は卒然昵近の少年を顧みて云つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...昵(したし)むこと兄弟の如くであつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...金之助の父の助左衛門と千五郎とは極めて昵懇(じっこん)のあいだがらで...
山本周五郎 「落ち梅記」
...仙石殿ご昵懇(じっこん)のその剣客者はいずれにある...
吉川英治 「剣難女難」
...昵懇(ちかづき)を求めたのだが」「善いかな」弁円は...
吉川英治 「親鸞」
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