...すなわち、彼が望みの宝をお遣(つかわ)しになりましたに因って、是非に及ばず、誓言(せいごん)の通り、娘を波に沈めましたのでござります...
泉鏡花 「海神別荘」
...今は是非に及ばないが...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...柏木氏も今は是非に及ばずとて...
井上円了 「おばけの正体」
...わたくしの方から是非にといって頼むことは一向してくれないが...
永井荷風 「西瓜」
...実は今日(こんにち)まで先祖の菩提所(ぼだいしょ)なる下総(しもうさ)の在所(ざいしょ)に隠れておりましたが是非にも先生にお目にかかり...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...是非に及ばぬ、我々は一足先に行手の村里へ参り、しかるべき人夫を頼んでこれへ遣(つか)わし申そう...
中里介山 「大菩薩峠」
...是非に及ばぬこと」礼儀から言っても...
中里介山 「大菩薩峠」
...こればかりは親や兄の自由には行(い)かないもんだからね」「藤尾が是非にと云うんですか」「え...
夏目漱石 「虞美人草」
...自分のいる前では、丸くなったり、四角になったりいろいろな芸をして、人を釣ってるが、いなくなれば、すぐに忘れて、平生(へいぜい)の通り御膳(ごぜん)をたべて、よく寝る女だから、是非に及ばない...
夏目漱石 「坑夫」
...是非にと頼まれて行つたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小堀氏のこのことの是非については...
平林初之輔 「文芸は進化するか、その他」
...雑誌『紀州動植物』を編輯発行して居(お)らるる植村利夫君からの御来状で是非にと拙稿を需(もと)められましたので...
牧野富太郎 「植物記」
...是非に欲しいと思い込んだら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...是非に今夜、お前さんとお話ししたいことがあって、ここまであとをしたってきましたが、迷惑でしょうがほんのちょっとの間、そこまでお付合いが願えませんか」雪之丞はためらわなかった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...もはや是非に及ばない...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...是非にと云って子供を預けるようになったから...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...「それあ先生が是非にという命令なら遣らんとは云いません...
夢野久作 「爆弾太平記」
...味方のなかで確執を起すなど是非によらず...
吉川英治 「三国志」
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