...退院のあとも是非にとその大森の家に連れ帰られたのである...
犬養健 「姉弟と新聞配達」
...柏木氏も今は是非に及ばずとて...
井上円了 「おばけの正体」
...されど『文芸倶楽部』によりてその作を発表せんには是非にも主筆の知遇を待たざるべからずとて怒を忍び辞を低うして虎の門外(そと)なるその家を訪(と)ふものも尠(すく)なからず...
永井荷風 「書かでもの記」
...是非にもお出でのほどお願ひ申上候...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...是非にもと縋付(すがりつ)いて極(ごく)内々(ないない)に面会を請うた次第であった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...種彦は先ほどから是非にも人を遠ざけ唯一人になって深く己(おの)が身の上を考えて見ねばならぬ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...君江が家を出たわけは両親はじめ親類中(じゅう)挙(こぞ)って是非にもと説き勧めた縁談を避けようがためであった...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...去歳(こぞ)の冬江戸庵主人画帖(がじょう)一折(ひとおり)携(たずさ)へ来(きた)られ是非にも何か絵をかき句を題せよとせめ給ひければ我止む事を得ず机の側にありける桐の丸火鉢(まるひばち)を見てその形を写しけるが...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...是非に女を救い出さんと思い定めた...
夏目漱石 「草枕」
...なお余りあるを是非に用い切らんために...
夏目漱石 「虞美人草」
...どうも是非に及ばない...
夏目漱石 「坑夫」
...あなた是非に参る...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...かくなる上は是非におよばず...
槇本楠郎 「文化村を襲つた子供」
...是非に欲しいと思い込んだら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それゆえ、そなたが、口を酸(す)くして、すすめてくれようと、よも、ここまで、足を向けようといたすはずがない――わたしには、よくわかる――そなたが、心をつくしてくれようとの気持はかたじけないが、おなじことであれば、わたしを、案内してたも――わたしが、是非に逢う...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...是非にでもおかえし申しますれば...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...「それあ先生が是非にという命令なら遣らんとは云いません...
夢野久作 「爆弾太平記」
...もう是非に関(かか)わらず...
吉川英治 「宮本武蔵」
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