...一昨日まで父の庄造が病み衰えた痩躯をよこたえていたのだし...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...また昨日までは数個の団体であったものも...
丘浅次郎 「動物界における善と悪」
...つい昨日まで、いや、ついさつき、晩酌を五六杯重ねるまでは何のこともなかつたのに、いつの間にか形勢が変つたのは、何かほんの些細なことが癪に触つたのでもあらうか...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...夢やないのんか?――つい昨日までは二人のために玩具(おもちゃ)にしられてる思い込んでたのんに...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...昨日まで彼と彼の父とが開墾してきた地面があった...
豊島与志雄 「土地」
...昨日までは子供として気にも留めないが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...沢庵(たくあん)と、握飯が、すぐ冷えて人々は、昨日までの、女と、酒とを思出した...
直木三十五 「近藤勇と科学」
...昨日まで勝たざる「勝利」のためにわれ/\を欺き...
永井壮吉 「冬日の窓」
......
野口雨情 「枯草」
...彼女も昨日までの華やかな世界を捨て...
長谷川時雨 「大橋須磨子」
...これが昨日まで森の小屋でまつくろになつて飯を炊いてゐた人かと思ふと...
牧野信一 「出発」
...昨日まで一緒にゐたなんて...
三田村鳶魚 「物貰ひの話」
...昨日まで仲よくいっしょに働らいていた人たちから...
三好十郎 「その人を知らず」
...「つなという娘はそれから来なかったのだな」「昨日までは来ませんでした」「――ふん」徹之助は不機嫌に首を傾げた...
山本周五郎 「風流太平記」
...各国の観衆の中で昨日までは黒人とドイツ人の一人舞台の観があった...
横光利一 「欧洲紀行」
...十月に入つて暫く暖かい日よりの續いた後、昨日まで折々、どつ/\と、一陣又一陣、里へおろして來たその燕の群が、今日はもうすつかりゐなくなつてしまふ...
吉江喬松 「山岳美觀」
...昨日までは至尊(しそん)と仰がれた君と三人の妃が...
吉川英治 「私本太平記」
...昨日までの、じめじめとした気持を、いかにも少年らしく、すっぽりと、脱ぎ棄てて仕舞って、太陽のように笑いたい気持だった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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