...たゞ食べて寝るだけの人生しかない!岩を掘り下げる音の春日影・植ゑられてもう芽ぐんでゐる・明日はひらかう桜もある宿です(木賃宿)酒がやめられない木の芽草の芽・旅の法衣に蟻が一匹まッぱだかを太陽にのぞかれる(野風呂)旅やけの手のさきまで酒がめぐつた・梅干...
種田山頭火 「行乞記」
...・おぢいさんも山ゆきすがたの大声でゆく十八日夜三句・つきあたつて大きな樹・酔ひしれた月がある・月影ながうひいて水のわくところまで・水底青めば春ちかし(追加)・椿またぽとりと地べたをいろどつた・はなれた家で日あたりのよい家で・蛙も出てきたそこへ水ふく・眼白あんなに啼きかはし椿から椿・こゝにふきのとうそこにふきのとう・もう郵便がくるころの春日影・ひつそりとしてぺんぺん草の花ざかり大山さん樹明君に...
種田山頭火 「其中日記」
...出汐まつ舟の灯や春の雨 凌霜佗住や足袋干すほどの春日影 凌霜四月廿一日...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
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