...此の頃明け暮れ聞くものは...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...政界はますますあわただしい雲行きに明け暮れした...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...其れが盛んに落葉してをるのが明け暮れ眼に入る...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...生きて世に貧の寒燈ともしけり 濱人生きて世に明け暮れ淋し老の秋 時綱生きて世に病の床の桜かな 昌東生きて世に真田(さなだ)が庭の桜かな 牧人句の巧拙はさておき...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...明け暮れ征馬のいなゝきと鉄炮の音ばかりを聞き馴れておりましたのが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...そこへ哀しい人間がきた・考へつつ出来た御飯が生煮で・梅雨晴ごし/\トラツクを洗ふ親も子も田を植ゑる孫も泥をふむ・まづしいけれどもよい雨の糸瓜を植ゑる・とんぼつるめばてふてふもつれるま昼のひかり・煮る蕗のほろにがさにもおばあさんのおもかげ・障子をたたくは夏の虫・蠅もおちつかない二人のあいだ・みんないんでしまうより虫が鳴きだした・雑草のなか蛙のなかや明け暮れて昼も蚊がくるうつくしい蚊六月廿四日晴...
種田山頭火 「行乞記」
...秋葉小路をうたふ(一)うらのこどもは よう泣く子となりのこどもも よう泣く子となりが泣けばうらも泣く泣いて泣かれて明け暮れる感動と句作良心的生活日本人的気魄――私は俳句を人生で割り切つた(と自信してゐる)...
種田山頭火 「其中日記」
...あんな混乱の際に救護所に詰めこまれて遠慮がちな明け暮れを送るよりも...
永井隆 「長崎の鐘」
...或風立った日、父が京に心を残し残し常陸へ下って往った後、女はもう物語の事も忘れてしまったように、明け暮れ、東の山ぎわを眺めながら暮らしていた...
堀辰雄 「姨捨」
...その日その日の明け暮れが...
本庄陸男 「石狩川」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...明け暮れ院のおそばにいて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どうかしてマユミを吾(わ)が物にしたいと明け暮れ考えまわしているだけであった...
夢野久作 「巡査辞職」
...明け暮れ悲嘆にくれておるらしゅうございます...
吉川英治 「三国志」
...遠くにある主君の身を明け暮れ案じている八旗の将もみな浮かない顔をしてしまった...
吉川英治 「三国志」
...明け暮れ、北条氏という姑(しゅうとめ)に、いじめ抜かれたためよ...
吉川英治 「私本太平記」
...とみに領土欲や物欲のために血をながす明け暮れなどは厭(いと)わしくなり...
吉川英治 「私本太平記」
...そして明け暮れ、気になってならないのは、“血光の災”といわれた家運の厄(やく)と剣難の禍(わざわ)いだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??