...出た時分には、短い冬の日脚が、もう往来へ長い影を落してゐた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...ぽか/\と暖く短い日脚をも心長く思はせるだらう...
有島武郎 「秋」
...日脚(ひあし)はもう未(み)の刻(こく)を過ぎていた...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...彼は日脚の擽(くすぐ)りで睡(ねむ)りを醒(さま)した...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...日脚が益々傾いて...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...柔い冬の日脚も楽しかった...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...午後の日脚が硝子戸からさしこんで...
豊島与志雄 「女と帽子」
...黄色っぽい日脚が妙に弱々しい...
豊島与志雄 「反抗」
...穏かにさしてる日脚のようなもので...
豊島与志雄 「慾」
...何もせずにぼんやりと短い冬の日脚(ひあし)を見てくらしたので...
永井荷風 「雪解」
...斜(ななめ)に傾きかけた日脚(ひあし)はもう路地の中には届かず二階中は急に薄暗くなった...
永井荷風 「雪解」
...これはまだ日脚(ひあし)の高いせいばかりではあるまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...日脚(ひあし)はまだ高いけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...室の内外は日脚の短さ加減のほかの何者も来(きた)りおかすものはない...
中里介山 「大菩薩峠」
...筋違(すじかい)に日脚(ひあし)の伸びた障子(しょうじ)の桟(さん)を見詰めている...
夏目漱石 「虞美人草」
...麗(うらら)かな日脚(ひあし)の中に咲く大きな椿(つばき)を眺(なが)めていたが...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...斯う日脚の短くなつた今日此頃のことでは...
牧野信一 「ピエル・フオン訪問記」
...部屋いつぱいに差込む日脚を除ける爲めにカアテンを引くと...
水上滝太郎 「大阪の宿」
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