...そして素直だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...素直だ、強い、弱い、ふるい、新しい、あらい、こまかい、永く保つ、保たない、遠くへきく、遠くへきかない等といふ現実なものの見分け方の上に、更に、さういふ種々なものが綜合されて、ほのかに煙つてくる夢幻的感情の見分け方なのである...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...空へ帰る事が出来ないので乱暴者の雷も漁師だけには極(ごく)素直だといふ事だ...
薄田泣菫 「茶話」
...いつでも、おまえは、素直だった...
太宰治 「姥捨」
...自分はどうしても誠実な人間にはなり切れなかったから、せめて罪滅しに一生、小説を書いて行きます、とでも言うのなら、まだしも素直だ...
太宰治 「風の便り」
...素直だとも思われた...
太宰治 「八十八夜」
...「あれは兄弟じゅうで一番素直だ...
徳田秋声 「挿話」
...「それも奥さんの気持が素直だからですよ...
徳田秋声 「花が咲く」
...「……気質(きだて)も素直だし...
豊島与志雄 「操守」
...娘のでつかい島田髷に頬冠りは變ぢやありませんか」「それから有太郎とかいふ植木屋はどうだ」「道話が好きで/\たまらないと言ふ癖に、お歌さんの方ばかり見て居る男で――尤もお歌さんもあの男には氣があるかも知れませんよ」「妬(や)くな/\、男の嫉妬(やきもち)は見つともないぜ」「尤も親孝行は本當で、人間も素直だし、近所の褒め者ですがね」「お前には面白くないことがあるんだらう」平次はこれ以上八五郎から聽き出せさうもないと思つたか、一應の注意だけして歸ることにしました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...和女(おまえ)は実に素直だよ...
村井弦斎 「食道楽」
...相手が昔流に信心深くて3525素直だかどうだかと...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...心がまだ素朴であり素直だったからです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...この生命「…………」「…………」みんな素直だった...
吉川英治 「上杉謙信」
...何事も」返辞は素直だが...
吉川英治 「私本太平記」
...はい」あくまで彼は素直だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼も至って素直だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかるに、今夜の相手は、自分の兇悪ぶりに対して、一向に驚かないのみか、自分を目(もく)して、素直だといい、正直者だといい、善人だという...
吉川英治 「親鸞」
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