...堂々たる大論文よりは新鮮なる零細の記事...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...このかくれた洲が、嵐や干満や潮流によって次第に高まったり、水面が後退したりして表面に露われるようになると、最初はそのなかに思想が停泊していた岸辺の屈曲にすぎなかったものが、外洋とは独立した別個の湖水となり、そこに思想はおのが独自性をつなぎ、おそらく塩水から淡水に変じ、新鮮な、あるいはよどんだ海や沼となる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...どこかのすきまから新鮮な風が不時に吹き込んで来たようなものであった...
寺田寅彦 「蓄音機」
...実に新鮮な記憶が残っていた...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...真裸な新鮮な大地の肌に無数に刻みこまれている...
豊島与志雄 「楊先生」
...新鮮な生気を導入することになる...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...新鮮な李(すもも)のように紅くなって...
野村胡堂 「黄金を浴びる女」
...玉葱のやうに新鮮な躯つきだつた...
林芙美子 「雨」
...清気機は常に新鮮なる空気を供給す...
正岡子規 「四百年後の東京」
...砂利の白や新鮮なすぎな...
宮沢賢治 「山地の稜」
...「ただ今からお習いになりましたなら新鮮なお若さが拝見されることでしょう」などと戯れて言う女房らからも怪しいまでの高雅な感じの受け取られるのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...はやにえというのは新鮮なる貢ぎ物...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...それこそ季節のタケノコ以上に伸びてゆく新鮮な生命群の中に半日を嬉々と暮してゐると...
吉川英治 「折々の記」
...下界の新鮮な生魚でも食べさすことができようというのである...
吉川英治 「随筆 新平家」
...出京第一日の不安やら触目の事々に新鮮な驚きを抱いていたせいであろう...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...かういふ重大な一事を忘却しないで、しかもこれを美術的に表現しようといふのが、道人の新鮮な、また強烈な意欲であつたのである...
吉野秀雄 「秋艸道人の書について」
...新鮮な感受性である...
和辻哲郎 「歌集『涌井』を読む」
...同じ新鮮な気持ちで味わえるというわけではない...
和辻哲郎 「四十年前のエキスカージョン」
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